【イギリスの世界遺産一覧】王室伝統のスポットから手つかずの自然まで。イギリスに残る世界遺産紹介!

病気を治す力がある「カンタベリー大聖堂」

病気を治す力がある「カンタベリー大聖堂」

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イングランド南東部ケント州・カンタベリーにある「カンタベリー大聖堂」は11世紀に建設されたゴシック建築の大聖堂で、イギリスでも有名な巡礼地とされている場所。
12世紀に政教分離を巡ってヘンリー2世と対立した大司教トマス・ベケットの暗殺をきっかけに巡礼地に。
ベケットはその死後ローマ教皇から「聖人」とされ、大聖堂を訪れた重病人、瀕死の人が治癒したという奇跡が起こったことから多くの巡礼者が訪れるようになりました。
ベケットは死しても影響力絶大ですね。

大聖堂と同時代に建設された「聖オーガスティン修道院」はヘンリー8世による修道院解散法によって16世紀に取り壊され、現在はかつての姿を偲ばせる建物跡が残るのみ。
「聖マーティン教会」は現役教会としてはイングランド最古。
6世紀に建てられて以降にローマからやってきた聖アウグスティヌスは、この「聖マーティン教会」を中心に布教活動を行っていました。

天国と地獄を経験した「ロンドン塔」

11世紀に現在のイギリス王室を開いたウィリアム1世によって築かれた「ロンドン塔」は武器などの保管庫、礼拝所などとして使用され、「ホワイト・タワー」の別名を持つ場所。
1905年に南アフリカで発見された世界最大級のカット・ダイヤモンド「カリナン」の保管場所でもあります。

この塔は時代ごとにさまざまな扱われ方をしてきました。
歴代の王が住居とした塔は王立動物園や天文台、造幣所まで増設され、16世紀のヘンリー8世時代になるとロンドン塔は監獄に。

監獄に姿を変えた塔でヘンリー8世は男児を産まなかった最初の王妃・キャサリンを離縁、同じく男児を産まなかった2番目の王妃アン・ブーリンを幽閉、処刑してしまい、その後時代が1940年代に入った頃には「第2次世界大戦」の捕虜が幽閉されることも。
王室関係者が次々に処刑された場所と想像しただけで鳥肌が立ちそうですね。

新旧の街並みが残る「エディンバラ」

新旧の街並みが残る「エディンバラ」

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イギリス北東部・スコットランドにある国の首都・エディンバラでは旧市街・新市街の両方が世界遺産に登録されています。

旧市街は中世ヨーロッパ要塞都市の景観を残す場所になっており「スコットランド議会ビル」、15世紀にスコットランド国王夫妻の住居となった「ホリールード宮殿」、エディンバラ大学といったものが有名スポットに。
一方の新市街は18世紀以降の新古典主義建築が並ぶ「都市計画の傑作」と評されており、1765年から1850年頃の建設とされています。

こうした街並みの中で最も有名なスポットが「エディンバラ城」。
城で最も古い12世紀の建築物「セント・マーガレット教会堂」、王家の宝石類が展示されている「クラウン・ルーム」などが有名。
8月に行われる「ザ・ロイヤル・エディンバラ・ミリタリー・タトゥー」はスコットランド軍楽隊と兵士がパレードするイベントで、国内では「夏の風物詩」になっています。

標準時の基準になっている「マリタイム・グリニッジ」

標準時の基準になっている「マリタイム・グリニッジ」

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「グレーター・ロンドン」の南東にある「グリニッジ」は『グリニッジ標準時』基準に登場することで有名な街。
街に残る「グリニッジ天文台」は王立公園「グリニッジ公園」内に建てられた天文台で、1675年にチャールズ2世の命を受けた建築家クリストファー・レンが設計。
ここでは1884年にアメリカ・ワシントンD.Cで開催された「国際子午線会議」においてグリニッジの東経0度都市、世界の本初子午線として定められた場所であり、1990年にイギリス東部・ケンブリッジに移転。
現在は博物館になり、1852年に作られた「シェパード・ゲート・クロック」は現在も稼働中。

このほかグリニッジには1703年にレンが設計したバロック様式の「旧王立海軍学校」、イギリス海軍の歴史が見られる「国立海洋博物館」が見どころに。
海との関係が深いことがわかりますね。







新石器時代遺跡の中心地「オークニー諸島」

新石器時代遺跡の中心地「オークニー諸島」

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北海と大西洋の境界に位置する「オークニー諸島」にある新石器時代遺跡の中心地。
新石器時代に属する4種の遺跡を対象としており、1999年に世界遺産登録されました。
遺跡群の中で最も有名となっているのが、集合住宅遺跡「スカラ・ブレイ」。
紀元前3100年から紀元前2500年頃まで使用されたと伝わる遺跡は料理や暖をとるための炉、ベッドなどの家具が残されており、寒いこの街での暮らしぶりがわかる内容。
彼らが生活するために編み出した知恵が残されているのですね。

このほかの遺跡「リング・オブ・ブロッカー」は紀元前2500年から2000年前に作られた遺跡で、直径104mのサークルが特徴。
紀元前3000年ごろに造られ最大の石は約6mになる「ストーンズ・オブ・ステネス」、新石器時代の「チェンバード・ケアン(埋葬用モニュメント)」である「メイズハウ」もあります。

産業革命時に製鉄業で繁栄「ブレナヴォン」

産業革命時に製鉄業で繁栄「ブレナヴォン」

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「ブレナヴォン」はウェールズ南東部にある街で、2000年に「ブレナヴォンの産業景観」として世界遺産に登録。
石炭と鉄鉱石が採れたことから18世紀から19世紀にかけて「産業革命」に欠かせない存在となり、最盛期には66万tの鉄を鋳造。
街の人口は多い時で2万人を超えていた時期もありましたが1900年に製鉄業の勢いが降下すると1980年に炭鉱も閉山。

当時の発展の様子は残された作業場群などから見ることができ、最新鋭の技術で造られた溶鉱炉跡を残す「ブレナヴォン製鉄所」、1980年に閉山した「ビッグ・ピット」炭鉱の一部を利用した国立石炭博物館が見どころ。
国立石炭博物館は鉱夫に扮して坑道見学できる博物館で、自身でも革命時代を体験できますね。

バミューダ諸島最古の街「セント・ジョージ」

バミューダ諸島最古の街「セント・ジョージ」

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セント・ジョージはバミューダ諸島・バミューダ島にある島で、「バミューダ島の古都セント・ジョージと関連要塞群」として登録されたのは2000年。
1503年にスペイン人ジョン・バミューダが発見したのが歴史の始まりで、1609年にバミューダ沖で難破したイギリス移民船乗員が切らし始めたことからイギリスの支配下に。
街は現在でも島最古の街であり、アメリカ大陸最古のイギリス支配下の場所に。

17世紀から18世紀にかけて造られた石灰岩の白い住宅群、17世紀から20世紀イギリス軍の軍事技術が窺い知れる要塞軍が見ものとなっており、1620年から1815年までバミューダ議会が置かれていた「オールド・ステイト・ハウス」も残っています。

清潔と安全性を両立した街「ソルテア」

清潔と安全性を両立した街「ソルテア」

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イギリス北部・ヨークシャーのウェストヨークシャー州にある「ソルテア」は、実業者タイタス・ソルトによって1853年につくられた街。
当時は「産業革命」真っただ中の時代で、ソルトは彼の工場があったブラッドフォードで伝染病の蔓延、大気汚染の問題を抱えていたことからここへ工場移転を決意しました。

工場を移転したソルトは工場だけでなく周辺環境の整備にも着手、労働者の住宅や病院、公園など清潔と安全性を両立した街づくりを実現することに。
働いて生産性を上げるためには「充実した生活が不可欠」であることをソルトは知っていたのですね。

ソルトが造りあげた「理想的な街」は現在でも当時の姿を残しており、村の中心として1986年まで稼働した「ソルツ・ミル」はアートギャラリーやカフェ、レストランとして生まれ変わり活躍中。
ソルトの思いは現在も生きていますね。

次のページでは『産業と生活を両立させた街「ニュー・ラナーク」』を掲載!
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Junya Higashi

Writer:

これまで旅行に行った土地は鹿児島・霧島や韓国・ソウルなど。世界の土地や風習のことなど、自分の知らない世界を調べて見るのが好きです。旅行経験やライター活動で得た知識が、これから旅行を楽しむ人の役に立てば大変嬉しく思います。どうぞよろしくお願いいたします!

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