【イギリスの世界遺産一覧】王室伝統のスポットから手つかずの自然まで。イギリスに残る世界遺産紹介!

産業と生活を両立させた街「ニュー・ラナーク」

産業と生活を両立させた街「ニュー・ラナーク」

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イギリス北部「スコットランド・サウス・ラナークシャー」の都市ラナークから約 2.2 km のクライド川沿いに残る「ニュー・ラナーク」。
1786年にデヴィッド・デイルが川の活力を利用する綿紡績工場、工場労働者用の住宅を建設したことが起源となっており、彼の娘婿ロバート・オーウェンが家や学校などの労働環境の整備に力を入れるなどして事業的に成功。
土地の特徴をうまくつかんだデイル、利益以外の面にも目を向けたオーウェンの強い関係が導いた成功ですね。

その後の工場は1968年まで操業、1975年には村の取り壊しを防ぐため「ニュー・ラナーク保全トラスト」が創設。
現在は村の建築物の大半が修復され、スコットランドの観光名所になっています。

世界初の近代工場「ダーウェント峡谷の工場群」

世界初の近代工場「ダーウェント峡谷の工場群」

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イギリス中部のダーウェント川流域にある「ダーウェント峡谷の工場群」。
工場群は産業革命初期に建てられたもので、1771年に設立された「クロムフォード・ミル」は水力紡績機により同じ品質の製品を大量生産する方法を確立した「世界初の近代工場」として有名に。
現在ではこうした方法は当たり前になっていますね。

またこの地域では労働者用の住居も数多く建設。
これは立地条件の悪い川沿いに多く工場が建てられたことから「労働者の雇用に配慮する」目的で建設されたもの。
現在で言う「社員住宅」のようなものですね。

現在は工場群のうち「クロムフォード」「ベルパー」「ミルフォード (Milford)」「ダーリー・アベイ」「ジョン・ランブ」が登録対象になっており、国内において歴史的価値を持つ保護対象建築物「リスティッド・ビルディングス」に含まれる建造物が 867 件。

世界最大の植物園「キュー王立植物園」

世界最大の植物園「キュー王立植物園」

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ロンドン南西部リッチモンド地区・テムズ河畔に広がる約120万haの広大な敷地に造られた「キュー王立植物園」。
18世紀にテュークスベリー・ケープル卿が熱帯植物を集めて作った庭が起源となっており、1759年には当時のイギリス王・ジョージ3世の母オーガスタが宮廷の庭園として庭師ウィリアム・アイトンに整備を命令。
後に建築家ウィリアム・チェンバーズ設計が設計した建築物も建設され、1761年に建築された中国のパゴダ(仏塔)は現在も残されています。

整備された後もジョージ3世はウィリアム・エイトンやジョゼフ・バンクスに庭園の整備を命令、1781年には隣接するハウスを買い上げ王室の子ども達を育てる施設に(現在キュー宮殿として保存)。
植物園としては1840年から開放され、現在は4万種以上の植物がみられる世界最大の植物園に。

美術館などの名所が揃う「海商都市リヴァプール」

美術館などの名所が揃う「海商都市リヴァプール」

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2004年に登録された「海商都市リヴァプール」は、イギリス北西部マージ―サイド州にある街。
18世紀以降に海商都市として発展した歴史を持つ街で、19世紀にはロンドンに次ぐ「帝国第2の都市」になるほど。

世界遺産として登録されているのは6か所。
ピア・ヘッドは19世紀から20世紀にかけての繁栄ぶりを伝える場所で、「スリー・グレイシズ」(美を司る3女神)と呼ばれる建物が見もの。
2011年には新しい「リヴァプール博物館」が開館し新たなスポットに。

アルバート・ドックはピア・ヘッド南に位置するスポットで、美術館「テート・リバプール」やこの地出身のビートルズを紹介する「ビートルズ・ストーリー」などが存在。
1846年に開かれた「アルバート・ドック倉庫」は世界初の完全耐火倉庫で、国内において歴史的価値を持つ保護対象建築物「リスティッド・ビルディングス」の「グレード1」に指定。

このほか世界最大級のレンガ建造物「スタンリー・ドック・タバコ倉庫」を持つ「スタンリー・ドック保存地域」、リヴァプール商業活動の中心地「キャッスル・ストリート保存地域」、市営建造物群の集まる「ウィリアム・ブラウン・ストリート保存地域」もあり、この地が発展した歴史はしっかり残されていますね。







19世紀に銅生産で発展「コーンウォール」

19世紀に銅生産で発展「コーンウォール」

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イギリス南西部・コーンウォール州からデヴォン州西部に残る鉱山景観を対象として登録された「コーンウォールと西デヴォンの鉱山景観」。
この地方の産業は1500年代頃から鈴の採掘のための鉱山開発から始まり、18世紀から19世紀にかけては銅や鈴の生産を主産業として繁栄。
19世紀には世界で供給される銅の半分以上を産出するほどの規模に成長しました。

しかし1860年会いに銅の暴落が発生すると産業は伸び悩み、プールのサウス・クロフティ鉱山が1998年に閉山されると産業は完全に衰退。
現在は牛や馬がいる草原になっており、そこには当時使われた煙突、レンガ造りの廃墟が点在。
かつて発展した場所が現在は草原になっているとは、発展した時代が遠い昔のように見えますね。

現役のイギリス最長運河「ポントカサステ水路橋と運河」

現役のイギリス最長運河「ポントカサステ水路橋と運河」

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ウェールズ・レクサム郡にある「トレヴァー村」と「フロンカサステ」の間にかかる水道橋および運河。
1805年に完成した水道橋は長さ 307 m 、幅 3.4 mと深さ 1.60 m を誇り、イギリスで最も長く高い運河となっています。

設計を担当した人物は土木技術者であるトーマス・テルフォードとウィリアム・ジェソップ。
2人は一流の土木技師、運河建築技師とされた人物で設計・建築に約10年をかけて建設。
彼らの熟練の技によって完成した橋なのですね。

現在水道橋は毎年10,000艘(そう)以上の運河船「ナローボート」が航行、25,000人以上の歩行者が渡っており、2009年に世界遺産登録。
イギリス国内の歴史的価値を証有して保護対象となっている「リスティッド・ビルディング(グレードI)」に指定されています。

別名は鋼鉄の怪物「フォース橋 」

別名は鋼鉄の怪物「フォース橋 」

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スコットランド・エディンバラ郊外・フォース川河口付近にかかる「フォース橋」は、全長2530mを誇る世界最長の「カンチレバートラス橋(三角形を基本単位として構成される橋)」。

この橋は当初スコットランド・テイ湾に架かる「テイ橋」を設計したトーマス・バウチが担当していましたが、彼が設計したテイ橋は設計の甘さがあったことから1879年に強風で崩壊、死者を出す大惨事に。
これが原因で「フォース橋」の工事は中止になってしまいます。

設計を引き継いだジョン・ファウラーとベンジャミン・ベイカーは「テイ橋」の失敗を踏まえて設計を続行、その結果「カンチレバー(片持ち梁)」を採用した強風に強い橋が完成することに。
支間長は549mで、この数字は1919年に完成したカナダ・セントローレンス川に「ケベック橋」が完成するまで世界一の長さ。
その姿から「鋼鉄の怪物」「鋼の恐竜」と呼ばれ、現在も現役の橋として活躍中です。

手つかずの自然や巨人伝説が残る「自然遺産」

次のページでは『巨人の影響が強く残る遺産』を掲載!
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Junya Higashi

Writer:

これまで旅行に行った土地は鹿児島・霧島や韓国・ソウルなど。世界の土地や風習のことなど、自分の知らない世界を調べて見るのが好きです。旅行経験やライター活動で得た知識が、これから旅行を楽しむ人の役に立てば大変嬉しく思います。どうぞよろしくお願いいたします!

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