浪費癖に女好き・前代未聞の曲を生んだ人物まで「個性的エピソードを持つ変人・奇人音楽家」まとめ

音楽の授業に必ず登場し、広く知られている多くの歴史的音楽家。歴史に名を残す音楽家たちは鋭い感性を武器に現代まで残る名曲を作り上げましたが、その中には常人に理解できない個性的キャラクター・エピソードを持った人物も数多くいます。今回はそうした歴史に名を残す音楽家の中から、個性的なキャラクターを持った人物を見ていきましょう。

誰もが知る名作曲家「ベートーヴェン」

誰もが知る名作曲家「ベートーヴェン」

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学校の勉強で必ず聞くであろう「ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン」も奇人・変人エピソードを持つ音楽家。
そんなベートーヴェンは「ハンサム」なルックスを持っていながら基本的には服装に無頓着であったと言われ、年を重ねるにつれて全く身なりを気にしない生活に。
そのほか作曲に没頭するあまり街を歩いているときに逮捕されてしまったことも。
物事に没頭してしまえば「周りのことなどどうでもよい」のかもしれませんね。

性格面でも相当気難しいところを持っていたとされ、親切な一面を見せたかと思いきや恐ろしく冷酷な行動をすることもあり、女性に物を投げつけることも。
その姿は「ジキルとハイド」のようですね。
持病の難聴を抱えながら作曲活動を続け、完全に耳が聞こえなくなってからも精力的な音楽活動を行ったことは有名な話ですが、そうした伝説の裏には奇抜なエピソードが隠されていたのです。

技術は他人に見せない「ニコロ・パガニーニ」

技術は他人に見せない「ニコロ・パガニーニ」

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イタリアのヴァイオリニストであり「ヴァイオリンの超絶技巧者」として知られるニコロ・パガニーニも相当な変人。
鋭い目つきに浅黒い肌の色、長い黒髪といったいで立ちのパガニーニは他人に自分の技術が知れ渡ることを非常に嫌っており、楽譜の管理は誰にも任せず自分自身で行っていました。
そうした姿勢は演奏する仲間にも同じで、自分の演奏会において伴奏者に楽譜を渡すのは数日、ひどいときは当日演奏時間の数時間前で、当日演奏した曲の楽譜はその日のうちにすべて回収。
そうした行動の背景には「盗作が横行していた」当時の時代背景があったとされていますが、ここまで徹底するとは相当神経質になっていたのですね。

またパガニーニは「お金にうるさい」ことも有名。
自身の人気が高まったことでチケット代が高騰、偽チケットが出回るようになると自ら会場の前に立ってチケットが本物であるか確かめたとのこと。
このほかにも賭け事に負けて演奏会前日にヴァイオリンを奪われたエピソードも存在。
彼の父親はギャンブラーであり、彼の演奏が受けるようになると次々に公演を組んでいたとされ、そうした「お金にうるさい」姿勢は父親譲りなのでしょうかね。

驚愕の「変態」エピソードを残した「モーツァルト」

驚愕の「変態」エピソードを残した「モーツァルト」

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音楽誌では必ずと言って良いほど名前を聞く「ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト」は驚愕の「変態」エピソードを残しています。
従姉妹に送った手紙「ベーズレ書簡」に綴られた内容はお世辞にも上品とは言えないもので、ひたすら「排泄物」に関する言葉を何度も連発するというもの。

この手紙はラブレターであったと言われますが、受け取った方は確実に「唖然とする」しかないでしょう。
これらの手紙はモーツァルトの死後に息子たちが何通かを燃やしたと言われていますが、自分の父親の「汚点」は当然後世には残したくないですからね。
ちなみに変態ぶりは手紙にとどまらず、1782年には『俺の尻をなめろ』という曲まで作曲。
これらを「笑い話」にしてよいか悩むところですね。

もう1つは「浪費家」の側面。
晩年には現在の金額換算で約15万ユーロ(約1900万円)を稼いでいたモーツァルトは賭け事に高価な服装、そして豪華な住居を求めて頻繁に引っ越しを繰り返したことで晩年は苦しい生活を送ることに。
音楽と人間性、経済観念などすべての才能が揃うことは難しいものですね。

派手な女性関係に浪費癖「リヒャルト・ワーグナー」

派手な女性関係に浪費癖「リヒャルト・ワーグナー」

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楽劇『ニーベルングの指環』や『ワルキューレ』を作り上げたリヒャルト・ワーグナー。
当時のザクセン王国ライプツィヒに生まれたワーグナーは1849年に「三月革命」に参加したものの失敗、亡命する形でスイス・チューリッヒに渡ることに。
23歳のときにはマクデブルク・ベートマン劇団の指揮者時代に出会った女優ミンナ・プラーナ―と結婚しますが妻は7か月で浮気、ワーグナーの元を出て行ってしまいます。

その後のワーグナーは次々に女性との関係を持つようになり、親友であったフランツ・リストの娘で指揮者ハンス・フォン・ビューローの妻であったコジマと関係を持ち結婚。
2人の間には結婚時点ですでに3人の子どもがおり、彼が作曲した「ジークフリート牧歌」は彼らの息子のために作曲したもの。
親友の娘であり他人の妻でもある女性に手を出すとは親友との関係が確実にこじれそうですが、そんなことは「お構いなし」ということですね。

その他にも「浪費癖」があったワーグナーは多額の借金をして踏み倒したり、当時の高所得者の年収5年分にあたる金額を「1ヵ月」で使い果たしたりしたこともこうしてみると彼の生活は「自制心」とは無縁に見えますね。







女好きの天才指揮者「オットー・クレンペラー」

女好きの天才指揮者「オットー・クレンペラー」

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20世紀を代表する指揮者の1人であるオットー・クレンペラーも相当なエピソードの持ち主。
1885年に当時のドイツ帝国・ヴロツワフ(現在はポーランド)に生まれたクレンペラーは48歳の時にナチス政権が誕生したことによりアメリカへ亡命。
アメリカへ渡った後のクレンペラーはロサンジェルス・フィルハーモニックの指揮者となり活躍しますが、もとから患っていた双極性障害の症状が悪化。
性欲異常亢進などの症状が出たことから長期療養のための施設(サナトリウムとも言う)に入所しますがそこを抜け出し逮捕され、アメリカでは要注意人物に。

その後もエピソードには事欠かず1958年9月には寝タバコをしたまま寝込んで大やけど、ホテルで若い女性と寝込んでいたところを娘に見つかる(このときクレンペラーは女性に娘を紹介)、自分が気に入った女性奏者を「自作の曲を演奏したい」と理由をつけてホテルに連れ込む(このとき同時に誘った男性奏者を「パートができていない」と言って帰らせようとした)など、クラシックの世界ながら行動は「ロック」と言えるものですね。

そんなクレンペラーですが1947年には「ハンガリー国立歌劇場」の監督、1954年には「フィルハーモニア管弦楽団」の初代常任指揮者に就任するなど実力派は文句なく最高級。
奇抜なエピソードを残しながら実力を発揮する点は「天才的」と言って良いですね。

フィンランドの国民的英雄「ジャン・シベリウス」

フィンランドの国民的英雄「ジャン・シベリウス」

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1865年にフィンランド・ハメーンリンナで生まれたジャン・シベリウスはフィンランドの国民的英雄とされている作曲家。
9歳でピアノを始めた彼はその後最初の作品として「水滴」を作曲、15歳から始めたヴァイオリンでも才能を認められるように。
その腕は「ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」のオーディションも受けるほどの腕前でした。

しかしそんなシベリウスはヴァイオリンの夢をあきらめることに。
極度の「あがり症」であったためです。
このため人前で演奏ができなかったと言われており、これがきっかけで作曲家の道を行くことに。

そんなシベリウスは「浪費癖」がひどいことでも有名。
これは同じような癖を持っていた父の影響があったとされており、若いころから酒にファッション、パーティなどにお金をつぎ込むことに。
1892年に発表した『クレルヴォ交響曲』などの成功によってフィンランド政府から終身年金が支給されるようになっていましたが、それでも借金に追われる生活になっていたのです。
作曲活動どころではないですね。

こうした生活に危機感を抱いた妻・アノイたちは1904年にヘルシンキ郊外・ヤルヴェンパーに移住することを提案、妻・アノイの名前から「アイノラ」と名付けた住宅で創作活動を行うことに。
この住宅は現在も残されており、夫婦が眠る墓には現在も多くのファンが花を手向けていくと言われています。

題名通り「嫌がらせ」な曲を生み出す「エリック・サティ」

題名通り「嫌がらせ」な曲を生み出す「エリック・サティ」

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フランス出身の作曲家エリック・サティは「前代未聞」のピアノ曲を作曲したことで有名な人物。
1893から1895年にかけて作曲した『ヴェクサシオン』は日本語で「嫌がらせ」などの意味を持つ言葉ですが、曲は52拍からなる約1分の曲を「840回」」も演奏し続けるというもの。
この曲についてサティのノートには「連続して840回繰り返し演奏するには、大いなる静寂の中で真剣に身動きしないことを、あらかじめ心構えしておくべき」と書かれています。

この曲はサティの死後、1963年にアメリカの音楽家ジョン・ケージらによって初めて演奏されたることになりますが、この時は夕方18時から始まった演奏が翌日午後0時40分まで続くことに。
この曲演奏に踏み切ろうと考えたケージは自身も『4分33秒(この時間の間に全く演奏が行われないことで有名)』という前代未聞の曲を発表しており、サティとはどこか共通点があるようにも見えますが、演奏する人の中には曲の演奏が本当の「嫌がらせ」と思っている人もいるかもしれませんね。

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