現代社会の必須アイテム「時計」はどのように生まれた? 誕生から現在までの歴史

現代では時間を確認する際の必須アイテムとなっている「時計」。現代の日常生活は時間によって動いており、掛け時計から腕時計、さらに携帯電話内蔵の時計といったように、いつどこでも時間を確認するのは生活の中で当たり前の行動となっています。それではそんな現代の必須アイテム「時計」が発明されるまで、過去の人々はどのようにこの商品を世に生み出したのでしょうか。






初の時計は日時計・水時計の開発

初の時計は日時計・水時計の開発

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時刻測定に使われた初の時計は、約6000年前の古代エジプトで使用された日時計でした。
これは地面に「グノモン(投影棒)」と呼ばれる棒を立てて、その棒の影の変化によって1日の移り変わりを見ていたとされています。

しかし日時計には大きな欠点があり、雨の日など「太陽が見えない日」には機能を発揮することができません。
こうした中で生み出された別の時計が「水時計」と呼ばれるもので、これは容器の底に小さな穴を開け、そこから水が漏れたあとの水面の高さで時刻を知る仕組み。
これであれば天気に関係なく時刻を知ることが可能に。
こうして発明された水時計は日時計が機能しない夜に使用され、時間によって時計を使い分けていたとされています。

水時計は古代ギリシャにおいて「クレプシドラ」と呼ばれて使用されるようになり、古代ギリシャの哲学者・プラトンは容器から溢れた水の力で銅の球がたらいに落ちる「目覚し時計」を発明。
プラトンは自作の目覚まし時計を自身が創設した学校で活用し、生徒はこの音を「起床時間を伝える音」にして起床していたとされています。
この後ギリシャでは裁判の時間測定にも使用されるようになり、正確に時間を図るための改良も実施。
紀元前325年頃には1時間単位で正確に読み取れるように。
水時計には正確性に欠点があり天気によって水の状態(温度によって蒸発、凍ることもあった)、水圧が変化すると正確に時間測定できないこともありましたが、進歩はたいへん早いですね。

航海にも重用された「砂時計」の開発

航海にも重用された「砂時計」の開発

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水時計の欠点を踏まえて作られた新しい時計は「砂時計」でした。
発明については古代エジプト時代、4世紀にフランスの僧ルイトプランドが発明したなどの説が存在しますが、原理は現在も存在する時計と同じ「2つの容器を細い管でつないだ」もの。
実際に使われるのはガラス技術が発達する13世紀からでしたが、逆さにして再計測でき揺れに強いことから航海で重用されるようになり、クリストファー・コロンブスやマゼランは航海に多数の砂時計を持ち込むことも。
長い航海では天気が荒れることもありますから「耐久性の高さ」は必須事項ですね。

このほかにも新たな時計の開発は進み、何かを燃やした燃え残り量を調べて時間を計る「火時計」は9世紀イギリス・アルフレッド大王が使用したことで有名に。
これは約30cmのロウソクが約4時間で燃え尽きる仕組みで、日本でも火時計が使われれることに。
「ランプ時計」は油を入れる容器に付けた目盛りで燃え減った油量を測定。
線香の燃える長さで時間を図る「香時計」は一定時間ごとに香りが変わるものなど工夫を凝らしたものも。
ただ「時間を図るだけのもの」としないところに創造性の高さがうかがえますね。

9世紀「機械式時計」の登場

天気などを利用した「アナログ」時計の時代を経て機械式時計が登場するのはヨーロッパ。
9世紀に当時の修道僧であったのちのローマ教皇・シルウェステル2世が祈りの時間を村人に知らせる目的で教会の鐘楼に自動で鐘を鳴らす機械を設置。
これが機械式時計の起源とされています。

その後世界で最初に機械式時計が造られるのは1270年から1300年頃。
この時代に造られた時計は現在の時計のような針を持たないもので、錘(おもり)を使用する仕組み。
この時計では時計を動かす錘、鐘を鳴らす錘の2種類が存在し、上部に取り付けられた「棒テンプ」が歯車の回転を一定の速度に制御する仕組みで稼働していました。

しかしこの時計は棒テンプが行う水平方向の往復運動に等時性(振り子など周期運動において、周期が振幅の大きさに関係なく一定である性質)がない、時計に導入していた「冠型脱進機」の振幅・摩耗の激しさという大きな欠点を抱えており、1日で30分から1時間のずれが生じることも。
これだけ時間のずれが生じては致命傷ですね。

こうしたずれを解消する時計を発明したのはオランダの科学者クリスティアン・ホイヘンス。
彼が発明した時計は「振り子」の原理を利用したもので、これによって1日に生じる時間のずれは2、3分まで短縮。
ホイヘンスは1675年にイギリスの自然哲学者ロバート・フックが発明した板バネを改良した「ヒゲぜんまい」を発明、これを懐中時計に利用。
これにより懐中時計の正確は大きく向上することに。

王族・貴族の装身具として「腕時計」登場

王族・貴族の装身具として「腕時計」登場

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大きく機能向上した懐中時計がさらに発達するのは19世紀以降。
この頃から王族・貴族の女性が身に着ける装身具として1個づくりの腕時計が登場、フランス革命で有名な皇帝ナポレオン・ボナパルトは1806年に皇妃ジョセフィーヌのために造らせたこともありました。

視認性や制度の悪さから発展しませんでしたが、時代が進むにつれ武器や電話・通信技術が発達すると戦場で重宝されるように。
従来の懐中時計では時間確認の際に毎回取り出して見なければいけませんでしたが、腕時計は片手を見るだけで時間確認できるためです。
一瞬の判断が戦況を変える戦場では、わずか数秒のタイムロスが命取りになることもありますからね。

こうして戦場で重宝されるようになった腕時計は、1879年にドイツのジラール・ペルゴ社が軍用品として2000個を製作。
これは時計を守るための装備としてダイヤル上に金属製カバーが取り付けられたデザインでした。
その後1904年にはブラジル人パイロットのアルベルト・サントス・デュモンがフランスの時計職人ルイ・カルティエに「パイロット用のデザインを取り入れた腕時計」の開発を依頼。
ここで開発された腕時計は「サントス」はデザインがパリの社交界で人気となり、現在まで続く腕時計の名作に。
機能性とデザイン性の両立ですね。







世界大戦で活躍する腕時計

世界大戦で活躍する腕時計

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戦場で重宝されるようになった腕時計がさらに注目を浴びるのは「第1次世界大戦」のときでした。
この頃にはモールス信号や音声信号といった高度な戦略が必要になり、砲兵らにとって腕時計は欠かせない存在に。
軍の請負業者は歩兵らのために腕時計を一括大量生産するようになります。

このときアメリカのパイロット間で流行した「A-11」は文字盤が黒地に白字とシンプルな腕時計で、現代の時計で一般的な12時間周期ではなく1日で回る「24時間周期」の時計。
この時計にはハック機能(秒針停止機能)も備わっており、同時期には「ブライトリング」が限られた燃料で飛行するパイロット用のストップウオッチ機能を装備した「クロノグラフ」を1915年に開発。

こうして戦争用に開発された腕時計は戦場で活躍、戦後無事に帰還した兵士はその後も腕時計を装着し続けるようになると、腕時計は生活に一般的なものとして普及していくことになりました。

時計開発で活躍した人物

振り子時計を開発「クリスチャン・ホイヘンス」

振り子時計を開発「クリスチャン・ホイヘンス」

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1629年4月14日、オランダのハーグで生まれまたホイヘンス。
幼いころから数学を得意としたホイヘンスはライデン大学で数学と法律を学んで卒業。
卒業した1655年には自作の望遠鏡で土星の第6衛星(タイタン)を発見、翌年には空気望遠鏡によってオリオン星雲を観測。
1657年に発明した「振り子時計」は1583年にイタリアのガリレオ・ガリレイによって発見された「振り子の等時性」を応用。
この発明の功績によって1663年にはロイヤル・ソサエティー(現存する最古の科学学会)会員に選定。

2004年に土星探査機「カッシーニ」に搭載、土星の衛星タイタンに投下された小型惑星探査機「ホイヘンス・プローブ」は彼の名前から名づけられたもの。
幼少期とその後で研究した分野は違いますが、研究心の強さは変わっていないのですね。

次のページでは『経度測定が可能な時計を開発「ジョン・ハリソン」』を掲載!
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Junya Higashi

Writer:

これまで旅行に行った土地は鹿児島・霧島や韓国・ソウルなど。世界の土地や風習のことなど、自分の知らない世界を調べて見るのが好きです。旅行経験やライター活動で得た知識が、これから旅行を楽しむ人の役に立てば大変嬉しく思います。どうぞよろしくお願いいたします!

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