日本でも話題の世界最古の薬局!イタリアフィレンツェにある「サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局」の歴史を調べてみた

15~18世紀にフィレンツェ文化を開花させたメディチ家御用達だったことでも知られる、歴史ある薬局です。旅行誌などに掲載されている美しい店内の写真を見ているだけでワクワクしちゃいますね。今回は、フィレンツェに行ったら一度は訪れてみたい「サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局」の歴史について、少しだけお話ししてみたいと思います。


サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局とは?

サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局とは?

image by iStockphoto / 64420065

400年の歴史を誇る伝統のレシピで作られるフレグランスやスキンケアなど、モデルや芸能人はもちろん海外セレブも愛用する、イタリアでも人気がある薬局です。
観光地としても人気のフィレンツェに咲く花や香草を使った、ソープや薬剤など、乙女心をくすぐる商品がズラリと並んでいます。

かつて修道院だった跡地に建てられた建物も、見る価値ありです。
ずっしりと重厚な扉の向こうには、フレスコ画に彩られた天井と大理石の床とクルミ材が使われた高級な家具が設置され、セレブティ感たっぷり。
まるで美術館にいるような、ルネサンス文化の香りが漂っているんですよ。
また、かつて石鹸やポプリを作った、16世紀の壺や古い機械などを展示した博物館は、フィレンツェの歴史と共に歩んできた薬局の威厳も垣間見られます。
お店の中にはティールームがあり、店内で販売されているハーブティなどを堪能できます。
修道院時代からの伝統ある世界最古の薬局には、一生に一度は訪れてみたいものですね。

サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局のはじまり

イタリアの古都で中世の街並みがそのまま残る世界遺産の街フィレンツェには、800年の歴史を持つ、現在も現役の薬局があります。
サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局と呼ばれており、フィレンツェの大富豪メディチ家はもちろん、ナポレオンや王侯貴族たちにも愛された当時の趣を今も残しています。

この薬局のはじまりは、1221年のことです。
このフィレンツェの地にやってきたドミニコ修道士たちが、サンタ・マリア・フラ・レ・ヴィンニェという小さな修道院の中庭で、ハーブを植え育てはじめたこと。
病んだ修道士たちの治療に使うため、そのハーブを調合して、薬剤や軟膏などを作りました。
これが、世界最古の薬局「サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局」の起源と言われています。

2014年にはフィレンツェにあるカステッロの丘の上に、15000㎡もの広大なサンタ・マリア・ノヴェッラ・ガーデンが作られました。
これは、かつてドミニコの修道士たちが、修道院付近で草花を育てたホルトゥス・コンクルスス(鎖ざされし園)を再現して作られたものです。

一般に販売される薬剤

1300年には薬剤などを、修道院内だけでなく一般向けに販売していました。
中世フィレンツェで名門家族のひとつ、アッチャイウォーリ家の婦人の病気を治すために使われたことが、修道院の奉納記録に残されています。

薬剤と共にバラ水が販売されるようになったのは、1381年ごろです。
実はこの頃の人々の間では、バラ水には解毒効果があると信じられており、ヨーロッパ全土を暗黒の世界に陥れたペストの時にも活躍しました。
ペストが出た家では、家の殺菌に使われたようです。

火災で消されたフレスコ画

現在薬局の販売ホールとなっている部分は、このアッチャイウォーリ家により1335年に聖ニコラスを称えて建てられた、修道院の礼拝堂として使われていたところです。

実はこのフレスコ画、1700年ごろの火災で元々のフレスコ画はダメージが酷く、一旦白く塗りつぶされていたとか。
1848年の改修の際に、現在見られるゴシック様式が取り入れられると共に、パオリノ・サルティ作のフレスコ画が描かれたようです。
このフレスコ画は大切に温存され、現在薬局の見どころのひとつとなっており、人々の目を楽しませています。

昔、修道院だった別の部屋には、あらゆるところにフレスコ画があります。
部屋だけではなく、教会から繋がる緑の回廊と呼ばれるところには、1300年代のフレスコ画もあります。

薬局となった修道院

修道院は現在薬局に隣接している、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会へと発展しました。
1542年には、修道院とは別に、元帳が作られ、薬剤販売における責任者が任命されました。
1612年には、正式に薬局との認可を与えられ、初代薬局長フラ・アンジョロ・マルキッシのもとで営業をはじめました。
この局長は、聖職者であり、植物についても詳しく科学的な知識もかなりあった人物だったようです。
薬局設立においては、トスカーナ公(メディチ家)の助言と協力を受けることができ、王家御用達精錬所の称号も授かっています。
次のページでは『オーデコロンの起源となった香水』を掲載!
次のページを読む >>

Writer:

世界遺産ブームをきっかけに歴史に目覚めてから、国や城、庭園などの成り立ちに魅了された主婦です。何だろう?と思ったことを調べて、皆さんにお伝えすることで気持ちを共有できたら幸せだな~と感じながら仕事をしています。ちょっとマニアックな歴史記事ですが、軽い気持ちで触れてみてくださいね!

この記事のカテゴリ

イタリア
ヨーロッパ
文化
歴史

関連記事を見る

イタリアの記事を見る

神戸・三宮デートでイタリアンならここ!予約推奨&記念日対応OKなイタ飯レストランランキングTOP7
イタリア観光、リピーターにおすすめのマニアックコース3選【ローマ在住15年超の筆者が伝授!】
【イタリア観光】古代も中世もルネサンスも見れるイタリアへ
イタリア在住15年の私が決める!イタリア観光スポットランキングBEST 20
毒殺に暗殺!?スキャンダラスな一族「ボルジア家」とは
【イタリア在住者が伝授】イタリア観光の攻め方&モデルコースを徹底解析
「ローマの休日」を辿るイタリア・ローマ観光のすすめ。観光スポット・舞台はここ!
ヨーロッパ最大の帝国となったローマ!ローマはなぜ帝国になったの?ローマ帝国への道
政府公認観光ガイドが伝授!アルベロベッロとプーリア州
ローマ在住者が伝授!ローマのおすすめの美術館20選
政府公認観光ガイドが伝授!愛の小道を歩きたいチンクエテッレ
初めてのベネチアなら見逃せない!1000年の栄光を感じる歴史スポット11選