どんな国?意外と知らない「ドバイ」の歴史と魅力を徹底解剖!

天まで届くかと思しき摩天楼輝く街並みが印象的な中東の大都市ドバイ。今や”お金持ち”の代名詞にも使われるほど認知度の高い国名ですが、バブルなイメージが先行しているせいか、どんな国なのか今ひとつ分かりにくく、「何年か前に突然現れた国」と感じている人も少なくありません。果たしてどんな国なのでしょう?ドバイの歴史を紐解きつつ、多くの人々を惹き付けて止まないその魅力に迫ります。

ドバイとはどんな国?

「アラブ首長国連邦」第2の大都市

「アラブ首長国連邦」第2の大都市

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アラビア半島にはペルシア湾に面して並ぶように、首長国(首長とはイスラム世界の君主の称号のこと。
君主制国家のひとつ)が7つ、連なっています。
この7つの首長国から成る連邦国家が「アラブ首長国連邦」。
サッカーに詳しい人ならUAEという通称のほうが分かりやすいかもしれません。
属する首長国は首都でもあるアブダビを筆頭に、ドバイ、シャルジャ、アジュマーン、ウムアルカイワイン、ラスアルハイマ、フジャイラ。
この連邦国家誕生の背景には、20世紀後半の世界情勢の中、生き残りをかけた首長国たちの思いがありました。

各首長国は20世紀中頃までイギリスの保護下にありましたが、1968年にイギリスが一帯からの撤退を宣言。
周辺の小規模な首長国は存続をかけ、アブダビを中心に連邦国家設立の道を模索します。
その結果、1971年から翌1972年にかけて、世界屈指の石油産出国が名を連ねる連邦国家が誕生したのです。

アラブ首長国連邦の首都はやはりアブダビ。
7つの首長国の中で最も人口が多く面積が広く規模が大きいのもアブダビで、アブダビとドバイとはお隣どうし。
一方のドバイはとても小さな国で、面積はアブダビの17分の1くらいですが、人口はアブダビに迫る勢いで増加を続けており(アブダビが約270万人に対してドバイ約240万人:2015年調べ)、名実共に”第2の都市”となっています。
ドバイはいわゆる「都市国家」で、アブダビにアブダビ市以外にもいくつかの市があるのに対し、ドバイにあるのはドバイ市があるのみ。
ドバイは国であり、ひとつの都市でもあるのです。

アラビア半島の歴史

アラビア半島の歴史

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”半島”と呼ぶにはあまりにも広大な土地を有するアラビア半島。
紅海とペルシャ湾に挟まれた、”つま先の尖ったクリスマスブーツ”のような形をしています。
半島の大半はサウジアラビアの国土で、ドバイをはじめとするアラブ首長国連邦は、ブーツのつま先部分。
ペルシャ湾にちょっと突き出て、狭い入り江を作っています。

アラビア半島・ペルシャ湾という場所柄、古代から脈々と長い歴史を持つ地域であることは容易に想像がつくこと。
ドバイという国の歴史はまだ浅くても、この地域一帯には太古の時代から多くの人々の暮らしがありました。

アラビア半島全体で言えば、1万年以上前、旧石器時代のものと思われる岩絵などが数多く発見されていますし、紀元前4000年頃になるとメソポタミア文明やインダス文明との交易が行われていたとの記録も。
紀元前3000年頃になると農業や酪農が行われるようになって、多くの人々がアラビア半島に定住していきます。
交易で栄えた町も数多く、半島には多くの王国が誕生していきました。
6世紀の後半にイスラム教が開かれると、イスラムによって半島は統一され、以後、イスラム王朝は内外問わず分裂や対立、建国を繰り返していきます。

そんな中、”ブーツのつま先”ドバイ一帯は、交易地としての役割を果たす一方で、漁業や真珠の採取、造船などの産業で賑わっていました。
始めは”お金持ちの国”のかけらも見えない、のどかな漁村だったのです。

ドバイの歴史

ドバイの歴史

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漁業や真珠の採取が主な産業で賑わいを見せるドバイ周辺ですが、決して大都市というわけではありませんでした。
そんな小さな漁村であったドバイに、1833年、アブダビからマクトゥーム家という部族が引っ越してきて、アブダビからの独立を宣言し、ドバイのアミール(イスラムの称号・君主号のひとつ)を名乗ります。
これがドバイ首長国の始まり。
1853年には貿易の中継港として他の首長国と一緒にイギリスの保護下に入ります。
インド洋側からペルシャ湾に入る入口部分に位置ずるドバイ。
イギリスはこの地を貿易の中継地点のひとつとして重視していたようです。

転機が訪れたのは20世紀半ば頃。
まずアブダビで油田が発見されます。
それに続けとばかりに、ドバイ沖でも海底油田(ファテ油田)が発見され、小さな港町だったドバイは一転、産油産業を主軸として大きく飛躍。
オイルマネーを武器に経済成長を遂げます。

しかし、ドバイの主導者たちは冷静に先を見据えていました。
調べたところドバイの油田はアブダビや他の国々より産出量が少なく、数十年で枯渇する恐れがあったのです。
オイルマネーに踊る世界情勢の中で、「原油に依存しない国づくり」がドバイの急務となりました。

1971年、アラブ首長国連邦が建国され、イギリスの保護下から独立を果たすと、ドバイは産業の多角化を進めていきます。
国際空港エミレーツ空港や世界最大の人工港ジュベル・アリ港の建設など海外に広く門戸を開き、ドバイ世界貿易センターや経済特区を設立して海外資本を誘致。
この試みはわずか20年ほどで驚くほどの成果をあげ、ドバイは摩天楼きらめく大都市へと変貌を遂げていったのです。







魅力たっぷり!ドバイの歴史的スポット

古い町並みが残るアル・ファヒディ歴史地区(バスタキヤ地区)

古い町並みが残るアル・ファヒディ歴史地区(バスタキヤ地区)

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原油に依存しない道を模索して築き上げられた近未来的な町並みと摩天楼。
経済都市として歩み始めた結果、1980年に28万人足らずだったドバイの人口は、1995年には70万に達し、2016年には240万人を超えて今なお増え続けているのだとか。
驚くことにその8割以上が外国人なのだそうです。

もう、かつての静かな漁村の頃のドバイを見ることはできないのかもしれませんが、それでも、古い時代の風景や街並みを残すため、伝統的な建物を保存した歴史地区というものが設けられています。

ドバイ・クリーク(ドバイにある入り江、運河)を中心に、交易の中継都市として発展を遂げてきたドバイ。
その頃の建物を保存した一角がアル・ファヒディ歴史地区。
アル・バスタキヤ、または単にバスタキヤと呼ばれることもあります。

一歩路地へ入ると風景が一変。
間近に砂漠があることを思い出させる、砂漠色の土壁でできた建物が連なるアラビアンな街並みが。
迷路のような狭い路地にはゆったりとした時間が流れ、高級ホテルも高層ビルも見えません。
3~40年前まではこんな街並みがごく当たり前の国だったとは驚きです。

ただ街を散策するだけでもタイムスリップしたような不思議な気分を味わうことができますが、このエリアには近年、古い建物を利用したギャラリーやカフェ、ショップなどが点在しているので、お土産探しにもオススメのスポットとなっています。

ドバイの歴史を学ぶならドバイ博物館へ

ドバイの歴史を学ぶならドバイ博物館へ

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そんなアル・ファヒディ歴史地区のほど近く、古き街並みの先にひときわ目立つ石造りの建物があります。
18世紀頃、近隣部族の侵入を防ぐために造られた建てられたアル・ファヒディ砦。
実際に砦として使われていたこの建物の一部が、ドバイ博物館として利用されています。

外観はまさに砦そのもの。
強固な壁と高い見張り台、砲台など、建物を見て廻るだけでも見ごたえ満点です。

展示内容の中心は「昔のドバイの様子」。
昔の一般的な住居や運河移動用の船の展示や、砂漠やオアシスでの生活、昔の市場や町の人々の日常など、蝋人形を配置してわかりやすく説明しています。
屋外に広がる近代的な大都市とのギャップに改めて驚かされます。
言葉がわからなくても十分理解でき、楽しめること間違いなしです。

長い間ドバイの中心的産業であった真珠の採取や漁業についての展示もあり、蝋人形たちはどれも、砂漠に適したアラブっぽい装束。
住人の8割以上が外国人というドバイでは、アラビア半島にありながらこうしたアラブの文化を間近で見る機会が少ないので、とても新鮮に映ります。
いろいろな雑貨や小物が並ぶお土産売り場も忘れずにチェックしてください。

次のページでは『麗しきイスラムのモスク「ジュメイラ・モスク」』を掲載!
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Writer:

歴史と歴史小説と遺跡を愛してやまない東京都在住の主婦。子供のころからの大の時代劇ファン。国内外問わず歴史小説を読むようになり、NHK人形劇「三国志」を見て中国史にはまって大学では東洋史学を専攻。愛猫とじゃれながら歴史小説を読み漁る毎日を送っている。趣味は古地図を眺めることとカメラ片手の街散策。

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