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1.天龍寺はどんな寺院?歴史を見てみよう

かつては嵐山一帯が天龍寺の境内でした。
1339年後醍醐天皇の菩提を弔うため、足利尊氏が開基、夢窓疎石を開山として開かれました。
もともとは嵯峨天皇の皇后が開いた檀林寺があり、その後に荒廃していた檀林寺を、後嵯峨天皇と亀山天皇が「亀山殿」という離宮を営んでいました。
亀山とは西にある小倉山のことを言います。
建立に際し、尊氏や光厳上皇が荘園を寄進しましたが建立費用が足りず、元との貿易を再開し建立費用に充てたと言われ、「天龍寺船」が始まったと言われています。
1345年に完成し、五山の第一位に位置づけられました。
それからの天龍寺は何度も何度も火災に見舞われ、1585年に豊臣秀吉の寄進によってようやく復興が始まります。
しかしその後も火災が起き、1864年には再建を行う中、蛤御門の変に際し長州藩の陣営となり再び伽藍は焼失しました。
その後は歴代の住持の尽力によって復興をはじめ、1877年には上地令によって境内は縮小。
現在の境内は、以前の10/1ほどになるそうですよ。
壮大な敷地だったのが驚きです。
また現在の建物は明治以降に建てられたものになります。
2-1.迫力の雲龍図がある「法堂(はっとう)」

法堂は一般的には住職が仏に代わって説法する場所になりますが、天龍寺では仏殿も兼ねています。
内部には釈迦三尊像を安置し、光厳上皇、歴代住職、夢窓疎石、足利尊氏の位牌があります。
この法堂には1997年、加山又造が描いた「八方睨み」の雲竜図が有名ですね。
どこから見ても龍から睨まれるという不思議な龍です。
かつては鈴木松年によって描かれた龍がありましたが、火災で焼失し修復が不可能だったため、平成に描かれたものになります。
この雲竜図は通常土日祝日の公開ですが、特別公開時には毎日見ることができますよ。
2-2.幾度もの火災から逃れた釈迦如来坐像を安置する「方丈」

大方丈は1899年、小方丈は1924年に建てられました。
大方丈には重要文化財に指定されている本尊の釈迦如来坐像が安置されています。
この釈迦如来坐像は平安時代後期の作と言われ、何度も火災から逃れました。
東側が正面で中門に対し、西側は曹源池に面して裏になります。
東西を仕切る襖には物外道人が描いた雲龍の絵がありますので、忘れずにチェックしてみてくださいね。
小方丈は書院になっており、来客や接待、行事、法要などに使用されているそうです。
2-3.達磨図が出迎える「庫裏(くり)」

1899年に建てられました。
方丈や客殿と棟続きで切妻造になっています。
この庫裏の正面玄関には前管長である平田精耕が描いた達磨図があり、天龍寺が達磨宗、禅宗であることを示しています。
この達磨図は方丈の床の間でも見られます。
2-4.作庭当時の面影が残る「庭園」

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庭園は前庭と曹源池庭園(そうげんちていえん)があり、前庭は勅使門から法堂に至るところにあり、放生池を中心としています。
曹源池庭園は曹源池を中心とした池泉回遊式庭園で、左に嵐山,正面に亀山や小倉山を借景した借景式庭園でもあります。
敷地が約1200坪ととても広く、夢石疎石が作庭し当時の面影が今でも残っています。
曹源池庭園は大方丈の縁側に座って見てくださいね。
曹源池中央正面に2枚の巨岩を立てた龍門の滝があり、通常は滝の下に置かれる鯉魚石が滝の流れの横に置かれ、龍に変化する途中の姿を現していると言われています。
曹源池の名前は池の中から「曹源一滴」と書かれた石碑が現れたことが由来となっています。
2-5.精進料理をいただける「龍門亭」
夢窓国師が選んだ「天龍寺十境」の一つである「龍門亭」を再現しています。
ここは天龍寺が運営する篩月の精進料理をいただくことができますよ。
コースは3000円、5000円、7000円で、3000円以外は2名以上の予約が必要になります。
11時~14時、お昼のランチとして美味しくいただけます。