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富士山が世界遺産になった理由がわかる11の小話

世界遺産に登録された富士山。世界遺産に登録されるには、美しさだけでなく歴史的なストーリーが欠かせないのですが、富士山は「信仰の対象と芸術の源泉」として登録されています。日頃から富士山を遠くに眺めることはあれど、富士山の歴史を知らなければ、なんだか仰々しい名前が付いたと思いませんか?しかし立派な根拠が数々のストーリーにあふれているのです。なぜ「信仰」「芸術」と言われているのかがわかるストーリーを、11の小話としてまとめました。

#1 現代に活きる富士山とゲン担ぎ

現代に活きる富士山とゲン担ぎ

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ビジネスマンや政治家は、縁起を担ぐ人が多いです。歴代の首相は、新春に伊勢神宮に参拝するのが習慣になっています。また、新幹線で東京へ就職する人の間では、晴れた富士山を見ると運が開けるジンクスがあります。その話を同行記者団から聞いたある首相は、お伊勢参りで富士が見られたので今年は大吉になると確信したそうです。その後の首相や経済人も、晴れた富士山が見られるかを大変気にするようになりました。

この間、外国人が箱根で寄木細工職人に学ぶ姿をテレビで放映していましたが、箱根から晴れた富士山を見て「縁起がいいですねー」と言っているのを見て、素晴らしい風景を見ることについて日本人も外国人も関係ないのだなと改めて感じました。

俳句をたしなむある首相は、一句を即興でこうしたためました。「今年こそは 富士と語りつ 初詣で」でした。ちなみに、この首相はこの年に開かれた自民党総裁選で敗れ、決して大吉ではなかったようです。

このようなことで富士山は現代にも信仰として息づいています。

#2 日本誕生とともに始まった富士信仰

日本誕生とともに始まった富士信仰

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 古代から富士山そのものをご神体として崇められていました。いつの時代からははっきりしませんが、恐らく、縄文時代から巨山、巨木、巨岩信仰など自然に対する崇拝がありましたので、日本人誕生とともに富士信仰があったとされています。

 文字がなかった時代である縄文時代や弥生時代にも富士山噴火は度々起こっていたことが、地質学の進歩により、判明しており、縄文人や弥生人の富士山への恐れと愛する気持ちは今よりも心の中にあったのでしょう。

 実際、巨山信仰と直接の関係はまだ明らかではありませんが、富士山周辺の千居遺跡(静岡県富士宮市)や牛石遺跡(山梨県都留市)など、縄文時代後晩期の祭祀遺跡が複数発掘されています。これらの遺跡にはストーンサークルを伴う特徴があり、もしストーンサークルと巨山信仰との関わり合いが明らかになれば、富士信仰は縄文時代から存在したと可能性が高くなります。

#3 富士信仰と関係のある「富士山噴火」

富士信仰と関係のある「富士山噴火」

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今でこそ富士山噴火はありませんが、記録では新富士火山の噴火は781年以後16回記録されています。

噴火は平安時代に多く、800年から1083年までの間に10回程度ありました。山の噴火は神々の怒りの表れと考えられ、その度に、神の怒りを静めようと祭るようになります。

ちなみに、平安時代の富士貞観大噴火は、東日本大震災に匹敵する貞観地震の5年前に起きており、今回の東日本大震災と今後の富士山噴火の可能性を考えている方もおります。

 神々は時には人々に豊かさと富をもたらす反面、噴火のような災いや試練を人々に与えるという考えがあります。この富士山の噴火と同時に政治も不安定になりました。

平安時代の藤原氏が地位を独占していた天皇を補佐する摂関政治から、天皇を退位した上皇が政治を執る院政時代を経て、源氏と平家が戦う武士の時代の突入とちょうど重なります。

#4 「浅間神社」誕生の秘話

「浅間神社」誕生の秘話

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 全国で神社が創建されますと、富士信仰も神社として祭られ、富士山の神様として考えられている浅間大神とコノハナノサクヤビメを主祭神とする「浅間神社」が誕生し、全国に広がるようになりました。

 定説はありませんが、この浅間大神とコノハナノサクヤビメは同一神とされていまして、天照大神(アマテラス)の孫であり、天の世界から地に降臨したニニギノミコトの奥さんです。そして東日本一帯を守護する神として祭られ、山の神、火の神、水の神、安産の神様として深い信仰を集めています。

「浅間神社」の総本宮はココ!!

 その全国の「浅間神社」の総本宮が富士山麓の富士宮市にある富士山本宮浅間大社(浅間大社)です。特に、奈良時代は政治的に不安定なことと、富士山の噴火もやや活発になりましたので、それを静めるため、より深く富士山が信仰の対象になりました。

あなたの住む街にも「浅間神社」

そもそも「浅間神社」の語源は、諸説ありますが、コノハナノサクヤビメが火の神の性質を持つことから、「浅間」は荒ぶる神であり、江戸時代に活火山である富士山と浅間山は一体の神であるとして祀ったとする説がありますが、私はこの説が有力であると考えています。「浅間大神」の心を鎮めるため、次々と各地に浅間神社が建立されました。

 富士山がご神体という地理的な要素から、静岡県および山梨県を中心として全国に約1300社の浅間神社が分布しています。西日本はほとんどなく、東日本及び中部地方に多いのが特徴で、これは、富士信仰が東日本にかたよっているものであることが明らかになっています。

 ちなみに、浅間山も富士山と同様、度々噴火を起こし、江戸時代の田沼意次が老中をつとめていた田沼時代にも大噴火を起こしており、江戸でも10センチほど雪のように火山灰が積もった記録があります。この噴火などにより、田沼意次の人気が下がり、後に寛政の改革を断交する松平定信が老中をつとめる時代に変遷していきます。

 余談ですが、浅間神社の中には、浅間造(せんげんづくり)という特殊な神社建築様式があります。これは、社殿の上にさらに別の社殿が載った二階建ての建築様式で、他の神社では見ることが出来ません。この様式は、富士山本宮浅間大社、静岡浅間神社、多摩川浅間神社、浅間神社 (横浜市西区) で見ることが出来ます。

#5 かぐや姫の正体は実は富士山だった?

かぐや姫の正体は実は富士山だった?

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「かぐや姫」は皆さんご存じでしょう。竹の中から生まれ、竹取の翁夫婦に育まれ、5人の貴人から求婚を受け、最後は、天皇の奥さんにという話もありました。

しかし、かぐや姫は、地上はあまりにも汚れた土地であるから月に帰ることになります。その際、不老不死の薬を養育した時の天皇にプレゼントしましたが、天皇は、家来に言いつけ富士山に捨てたという物語です。

 作者は不明ですが、物語を丁寧に読むと当時の権力者であった藤原氏に対する批判もあり、5人の貴人の1人が車持皇子であり、このモデルは藤原不比等とされ、藤原氏が支配する世の中からかぐや姫は、去ってしまうという意図もあったようです。紫式部は、『源氏物語』で「物語の始まりは竹取物語」と執筆しており、日本最古の物語と言われています。

 ところが意外なことに富士山周辺の富士市には富士縁起という中世に成立した文献が残っており、かぐや姫は最後に月に帰ってしまうのではなく、富士山に登って忽然と消えてしまうことになっており、富士市地元では、本当は、かぐや姫の正体は富士山だったと信じられています。

長井 雄一朗

Writer/Editor:

旅行好きがこうじて、サラリーマンを辞めて自分のスキルを活かし、フリーライターをしています。各国を回りましたが、どの国も素晴らしい面もあります。私のモットーとしては、他国を評価するときは、絶対に「日本のモノサシ」を使わないことです。各国の文化や歴史は日本と方向性が異なったとしても優劣はなく、日本と同様に各国ごとに進化を遂げ、素晴らしい文化に昇華したと考え、どの国に対してもリスペクトが必要です。そんな各国の歴史や文化を皆様にご紹介したいと思います。

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