イギリスの旅行業者の努力が実った!観光旅行は、こうやってはじまった

イタリア、フランス、ハワイなど人々が憧れる人気観光地って世界にたくさんあります。一生に一度は行ってみたい憧れの国から何度行っても飽きないほどお気に入りの観光地まで色々巡る観光旅行っていいものですよね。でも、私たちに観光地の魅力を教えてくれる観光旅行って、いつ始まってどんなふうに広がっていったのか気になりませんか?今回は、観光旅行の歴史について少しだけ触れてみたいと思います。

観光旅行の魅力

観光旅行の魅力

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現実から逃れて、今まで自分が見たことがない風景や文化、食べ物など非日常を満喫できる旅行って楽しいですよね。
同じ国でも、テーマによって見どころが違ったり、旅行会社が提供するツアーに参加したり、ぶらぶら街を散歩するだけでも楽しめる旅行って、いつの時代も人々を喜ばせてくれています。

旅と言えば、大航海時代にヨーロッパから船に乗って諸国を巡ったコロンブスやバスコダガマ、マゼランも旅といえば旅ですね。
巡礼の旅は紀元前から既に行われていました。
意味合いは変わってきますが、遊牧民の生活や人間が定住生活を送るようになるまでには、色々なところを旅して巡っていたんでしょう。
そう考えたら、人間は本能的に旅が好きなものなのかもしれません。

昔の旅は危険がいっぱい

昔の旅は危険がいっぱい

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昔の旅って、結構命がけだったんです。
信仰の厚い人々が巡礼の旅に出かけると、道中には盗賊に出くわしたり、悪徳商人たちに出くわし身ぐるみはがされたりと、危険と苦難の長い道のりでした。
だから昔の人々は、必要ない旅には出ていなかったのです。
ゆとりがなかったのも現実ですが。

昔のヨーロッパにおける陸上の交通手段は駅馬車でした。
でも、盗賊に狙われるという事件も多発していたようです。
一般的に観光旅行が開花したのは、鉄道が充実し始めてからと考えられています。
観光や余暇を楽しみはじめたのは、鉄道が充実し経済の繁栄と共に生活が向上してきたからのことです。

観光旅行はイギリスからはじまった

観光旅行はイギリスからはじまった

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観光旅行がはじまったのは、イギリスで約160年前といわれています。
きっかけは、1851年のロンドン万国博覧会に行くためでした。
この頃には、生活も安定してきており、労働者や農民にも広まっていたようです。
日帰りの鉄道旅行でしたが、観光旅行が大衆に広まったという画期的なことでした。

しかも、団体割引や往復切符など現在でも観光旅行で重要視するサービス的なものもはじまっていました。
このサービスを企画したのは、団体旅行の創始者として現在でも世界的に有名な旅行会社のトーマス・クックです。

観光業として成り立つまでの流れ

観光業として成り立つまでの流れ

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万博の前には、既に団体旅行を企画する旅行業を専門的に扱う会社として、日々進歩していました。
1841年には、世界初の団体旅行といわれる「禁酒運動大会」の旅行を企画し実際に行っています。
これは、458人のメンバーを集めて貸し切り列車で、ヨーク、ダービーなど18キロメートル離れた街への団体旅行でした。
1840年に、ミドランド・カウンティ鉄道によって、テスターからダービー間の線路が開通したから出来たことです。
しかし、ボランティア的なツアーで、利益を得ることはできませんでした。

1845年のリヴァプール・ツアーでやっと利益を得たのです。
1846年のスコットランド・ツアーでは、グラスゴーやエジンバラでも大歓迎を受け、ツアー自体も大成功に終わっています。
これだけでなく、湖水地方や、ブラックプール、マン島など、どんどんツアーを企画し実行しました。
まさに、スコットランドはドル箱的な存在になりました。







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この後に、先ほどご紹介した1851年のロンドン万博の団体旅行を企画しています。
世界で初めて行われた万博の参加国は34ヶ国で、141日間に亘って行われ、1日平均4万3000人。
最終的には604万人もの人が訪れたようです。
これは、ロンドンの人口の3倍にあたる人数でした。
今もですが、観光旅行と産業の発達は密接につながっているのだということを実感できますね。

ブルジョアジーに流行った観光旅行

ブルジョアジーに流行った観光旅行

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出発から帰りまでの交通手段から、観光地での宿泊施設、見学コースまで全てを企画しており、現在のパッケージ・ツアーが既にはじまっていたといっても過言ではありません。
この頃の観光旅行の主役は、ブルジョワジー(中流階級)でした。

産業革命が成功し、「世界の工場」と呼ばれたイギリスがどれほど裕福だったかを垣間見ることができます。
産業革命における最大の差といわれた鉄道の有無は、観光旅行の主流だった鉄道ツアーでも見て取れます。
しかし、時代が進むにつれ鉄道旅行の他にも、豪華な船旅を満喫していた富裕層の遊び方も大衆に広めるよう尽力するようになったのです。

苦難を乗り越えて

苦難を乗り越えて

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順風満帆だったわけではありません。
1862年には、今までうまくいっていた鉄道旅行が、鉄道会社の妬みによりトーマス・クック社に割引切符の発行を取りやめたのです。
しかも、この鉄道会社は、ドル箱だったスコットランドでした。
でも、仕方ないですよね。
だって、鉄道会社の利益を半減させるような、割引切符を約20年も発行してもらっていたのですから…。

でも、パッケージ・ツアーのノウハウを習得していたので、逆にこれを利用することに成功しました。
昔に戻って、ノスタルジアを前面に押した馬車でのツアー。
景観美や由緒あるお城など、現代人でも飛びつきそうな観光地を巡る旅です。
もちろん成功しています。
ここから、クックは海外旅行への目を向けるようになっていきました。
1855年に行われたパリ万博ツアーが失敗に終わっていたため、海外旅行には慎重だったのです。

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