古代ミステリーから近代建築まで!イギリス世界遺産を全部解説

イギリスの世界遺産をいくつご存知ですか?有名どころではストーンヘンジやロンドン塔、ウエストミンスター寺院といったところではないでしょうか。しかし、イギリスには他にも多くの世界遺産があるんです。その数30。自然がつくり出した景観や、古代歴史ミステリーに彩られたもの、産業革命の国らしく、産業的な建築物もあるんですよ。意外なほどバリエーションがあるイギリスの世界遺産30ヶ所をすべてご紹介したいと思います!

イギリスの世界遺産とは?

イギリスの世界遺産とは?

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世界遺産を有する国は165ヶ国、1,052ヶ所にのぼります。
1位はイタリア(51ヶ所)ですが、イギリスも8位(30ヶ所)と健闘しているんですよ。
ちなみに日本は12位(20ヶ所)です。

イギリスの世界遺産は、記念物や建造物群、遺跡などの「文化遺産」と、生物の多様性や地球の歴史上における地形の発達や生物の記録などを有する「自然遺産」、文化遺産と自然遺産の要素を各1つ以上有する「複合遺産」の3種類が存在しています。

また、イギリスを語る上で外せない、国を構成する4つの地域:イングランド・スコットランド・ウェールズ・北アイルランド別に分けて、世界遺産をご紹介していきたいと思います。
実は、他にイギリスの海外領土というところにもあるんですよ。
南太平洋や南大西洋にまで及んでいます。

1 ダラム城と大聖堂(イングランド)

1 ダラム城と大聖堂(イングランド)

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ダラム城は、11世紀にイングランドを征服したウィリアム1世によって建設されました。
ダラムはスコットランド侵攻・防衛のための重要拠点だったので、ダラム城はシンプルな石造りで、とても重厚な城となっています。
これを、ウィリアム1世が開いたノルマン朝にちなんでノルマン様式と言うんですよ。

1840年からは、ダラム大学学生寮として使われています。
お城に住むなんて、羨ましいですよね。
ここは、ガイドツアーに申し込まないと見学はできません。

ダラム大聖堂もまた、11世紀に造られたノルマン式教会です。
その繊細な美しさは、ヨーロッパ屈指と言われているほどなんですよ。
325段の階段を登り切った塔のてっぺんからは、ダラムの素晴らしい景色が一望できます。

ダラム城もダラム大聖堂も、映画「ハリー・ポッター」シリーズのロケ地となったことでより有名になりました。

2 ストーンヘンジ・エーヴベリーと関連する遺跡群(イングランド)

2 ストーンヘンジ・エーヴベリーと関連する遺跡群(イングランド)

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イングランド南西、ウィルトシャーのソールズベリー平原にあるのがストーンヘンジです。
巨石が円陣のように組まれて直立している様子は、世界七不思議のひとつにも数えられるミステリーですね。
太陽崇拝か、天体観測のためかといわれていますが、本来の目的も工法も謎なんです。
しかも、前3000年以前に建てられたものとされており、エジプトのピラミッドよりも古いんですよ。

ストーンヘンジから30㎞ほど離れたところにあるエーヴベリーにもまた、巨石が並べられた場所があります。
1.3㎞の外周に100個の石が立てられており、ストーンヘンジより1000年ほど新しいものですが、ヨーロッパ最大のストーンサークルとされています。

3 ファウンテンズ修道院遺跡群を含むスタッドリー王立公園(イングランド)

3 ファウンテンズ修道院遺跡群を含むスタッドリー王立公園(イングランド)

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イングランド北部、ノースヨークシャーにあるのがスタッドリー王立公園であり、その中にファウンテンズ修道院遺跡群があります。

ファウンテンズ修道院は1130年代に造られた修道院で、後にカトリック会派のシトー会修道院となりました。
13世紀には全盛を誇りますが、騒乱や情勢の変化により開山に追い込まれ、やがて廃墟となります。

ほとんどは天井もなくなっていますが、廃墟ならではの滅びの美が人気です。

スタッドリー王立公園は、修道院解散後に庭園が造られ、美しいウォーターガーデンがあることで有名になりました。
敷地には教会や鹿500頭がいるディア・パークなどもあります。

4 アイアンブリッジ峡谷(イングランド)

4 アイアンブリッジ峡谷(イングランド)

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1779年に世界初の鉄橋「アイアンブリッジ(正式名:コールブルックデール橋)が架けられたアイアンブリッジ峡谷(本来はセヴァーン渓谷)は、イングランド西部シュロップシャー州にあります。
イギリスでいちばん長い川・セヴァーン川がつくり出した峡谷に架かる鉄製の橋は、産業革命の象徴にして発祥の地でもありました。

この地では石炭が採れたため、それを使った製鉄業が盛んになりました。
そして広く深いセヴァーン川によって、海まで品物をかんたんに運ぶことができたんです。

今では、アイアンブリッジをはじめ、渓谷博物館などのアトラクションが整備され、一大テーマパークとなっています。

5 バース市街(イングランド)

5 バース市街(イングランド)

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ロンドンから西に140㎞、イギリス南部にあるバースはイギリスで唯一温泉が出る所です。

そのため、紀元前から温泉として有名で、ローマ帝国の保養地となりました。
ローマ式大浴場やローマ神殿なども造られたんですよ。

いったん衰退してしまいましたが、18世紀にアン女王がここを訪れたことにより、再度注目を集め、一躍上流階級の社交場になりました。

バース市街の特徴は、この地で採れる淡いはちみつ色をしたバース・ストーンが演出するやわらかでエレガントな街並みです。

ローマ浴場の遺跡はローマン・バス(ローマ浴場博物館)となり、676年から続くバース寺院、近現代に造られた上流階級の集合住宅「ロイヤル・クレッセント」など、すべてが淡いはちみつ色に彩られており、とても心落ち着く街ですよ。

6 ローマ帝国の国境線(イングランド・スコットランド)

6 ローマ帝国の国境線(イングランド・スコットランド)

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ローマ帝国時代に築かれた防護壁である国境線は、イギリスに2つ、ドイツに1つ残っています。

イングランドには「ハドリアヌスの長城」がありますが、これはイギリス北部・スコットランドとの境界付近に位置しています。
当時、ローマはブリタニア(イギリスのあるブリテン島)に進出していましたが、その地に住むケルト人(ガリア人)の抵抗に悩まされていました。
これを防ぐために築かれたのがハドリアヌスの長城なんです。
全長118㎞、3mの厚みと4~5mの高さのある長城は、10年かけて132年に完成しました。

また、スコットランド中央部、ハドリアヌス長城よりさらに北160㎞にあるのがアントニヌスの長城です。
こちらもケルト人の侵入に備えて造られました。
こちらはわずか2年の工期で完成したそうですよ。

そして、ドイツにはリーメスの長城が残されています。

7 ウエストミンスター宮殿、ウエストミンスター寺院、聖マーガレット教会(イングランド)

7 ウエストミンスター宮殿、ウエストミンスター寺院、聖マーガレット教会(イングランド)

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ロンドンのシンボルとも言える時計塔「ビッグ・ベン」が併設されている、イギリスの国会議事堂がウエストミンスター宮殿です。
11世紀半ばに建設され、1529年から国会議事堂として使用されるようになりました。
イギリスの議会制民主主義はここから始まったといえます。
1860年に現在の姿になりましたが、1100を超える部屋数、華麗な装飾は圧巻です。

また、その近くにあるのが、1065年に造られ、戴冠式などの王室行事が行われている他(近年ではウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式)、歴代のイギリス王が埋葬されているウエストミンスター寺院。
シェイクスピアやニュートン、ダーウィンらの著名人も眠っていますよ。
内部の美しいステンドグラスは、第二次大戦下でドイツ軍の爆撃を避けて疎開していたため無事だったという話。

ちなみに、ウエストミンスター大聖堂という教会もありますが、こちらはカトリックの教会です。
ウエストミンスター寺院は英国国教会なので、別物ですからご注意ください。

カトリックの大聖堂は「カテドラル」と呼ばれ、英国国教会のものは「アビー」と呼ばれます。

そして、小さくひっそりとたたずんでいるのが聖マーガレット教会です。
12世紀に建てられ、15~16世紀に再建されたものですが、ここは英首相チャーチルが結婚式を挙げたことで有名ですよ。

8 ブレナム宮殿(イングランド)

オックスフォード郊外、ウッドストックにあるブレナム宮殿は、1873年にチャーチルが生まれた場所でもあります。
当時の当主は彼の叔父でした。

マールバラ公ジョン・チャーチルが、スペイン継承戦争でフランス軍に勝ったブレンハイム(ブレナム)の戦いにちなんでこの名がつけられました。
ブレンハイム(ブレナム)とはドイツの地名なんですよ。
そして、宮殿自体はチャーチルの戦功によってアン女王が下賜したというわけです。
現在もマールバラ公爵家が所有し、唯一、王族でない者が所有する宮殿なんですよ。

内部の調度品や絵画も豪華ですが、イギリス最大級の庭園には噴水や池などがあり、王族に劣らない力を公爵家が持っていたことを感じさせます。

xiao

Writer:

世界と日本がどのように成り立ってきたのか、歴史についてはいつになっても興味が尽きません。切っても切り離せない旅と歴史の関係を、わかりやすくご紹介していけたらと思っています。

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