サウジアラビアってどんなところ?私のサウジアラビア潜入記

過去に二度、サウジアラビアへ仕事で訪れた事があります。一度目は首都のリアド、二度目は大きな都市、ジェッダです。宗教熱心なことで知られ、あまりそのヴェールを脱がないサウジアラビアの実態をお話します。

郷に入っては 郷に従え

郷に入っては 郷に従え
サウジアラビアは観光ビザを発行していません。
仕事や宗教の理由がないと入国が厳しい国なのです。

郷に入っては 郷に従えということわざもある様に、まずサウジアラビアの風習を尊重しなければなりません。
メディアでご覧になった事のある方も多いと思いますが、イスラム圏の国では女性はアバヤと呼ばれる黒い全身を覆うドレスとヒジャブと呼ばれる頭に巻く布を着用するのが義務づけられています。
(宗教観念なので義務だと思っている女性は少ないかもしれませんが、サウジアラビアは特に宗教熱心な国のため、着用は絶対です)

女性としての礼儀として用意しておいたこれらをまず飛行機着陸と同時に慣れない手つきで着用しました。
外は夜だというのに40度近く。
湿気もあり、体中布で覆われ、清々しいにはほど遠い初夜でした。

オシャレはお家でお披露目

オシャレはお家でお披露目
街を見渡すと、見事なほどみな民族(宗教)衣装をまとっています。
女性は先ほど述べたアバヤを、男性は白いトーブという純白の衣装にヤシュマーグという布を頭に被ります。
女性は外出する時と家に家族以外の男性がいる時にアバヤを着用します。
訪問したお宅には女性用のアバヤ着用/離脱室が玄関の隣にもうけられていました。

ビーズなどが刺繍された奇麗なアバヤも多いですが、購入した最新トレンドの洋服はアバヤに隠れてしまいます。
そこで女性達は、昼間女友達を呼び集め、アバヤを脱ぎ、公の場ではできないファッションの自慢大会をお家パーティーで行うようです。
文化の違いはあれども女性はファッションを楽しみたいものなのですね。

あまり知られていないサウジアラビア料理は日本人の口に合う?!

あまり知られていないサウジアラビア料理は日本人の口に合う?!
アルコールが宗教で禁止されているサウジアラビアでは、お茶やコーヒーによるもてなしが広く行われており、男性陣が輪になってデイツ(日本語ではナツメヤシ)と呼ばれるドライフルーツと共に温かい飲み物を嗜んでいる姿をよく見かけました。

一般的な食事は羊肉と鶏肉をよく使用し、お肉の炊き込みご飯の様なものや、ヨーグルトを多用するレバノンやトルコ発祥の食べ物も好んで食されています。
香辛料も多く使われますが、辛くはありません。
日本人の口にも合うお豆の料理も多く、どれもおいしい食事で滞在中に食に困る事はありませんでした。
西洋発祥のマクドナルドやピザハットなどのファーストフード店も多く見かけますが、宗教上の理由で豚肉はもちろん取り扱ってない他、びっくりしたのは女性用と男性用の食事場所が別れていたことです。
お店によっては入り口も別々でした。

デパートに女性店員はいない

デパートに女性店員はいない
特に首都のリアドでは女性の労働が認められていません。
一夫多妻制のこの国では女性が数人一緒に暮らし、家事をしながら主をサポートします。
男性にとって数人の妻を持てるということは、それだけの収入があるという証でもあるのです。
ショッピングモールへ訪れた際にびっくりしたのが、女性の下着売り場に男性店員しか見あたらなかった事です。
よく見渡すと、デパート中に女性店員は一人もいませんでした。

いるのはショッピングバックをたくさん抱えた女友達とお買い物を楽しむ女性達でした。
一見、なんて優雅な生活なのかと思ってしまうようなシーンですが、サウジアラビアでは女性は参政権もなければ、運転も認められず、 女性が親族以外の男性と公の場で二人で会うことが禁じられていて、実際カフェでビジネスミーティングを試みた既婚二児の母親が宗教警察に逮捕された件もあります。

私が滞在した際も、街を歩く事は禁止され、必要最低限の外出は避けるよう言われました。







お祈りは絶対優先!スーパーも神聖なる祈りの場に変身

お祈りは絶対優先!スーパーも神聖なる祈りの場に変身
どこで何をしていようが、一日5回の決まった時間帯のお祈りはかかせません。
一度、スーパーに出向いた時に、目の前で閉め出されてしまい、鍵をかけられてしましました。
昼に突然閉まってしまったのはなぜかと困惑していると街にサイレンのような大音量のアザーンと呼ばれるお祈りが流れ、お祈りが始まったのです。

どこにいてもお祈りを欠かす事のない様、たくさんの施設が祈り場に早変わりするのです。
お祈りが終るまで入店は禁止、終った後は何事もなかったかの様に平常に戻りました。
そのまま夕方まで閉まってしまうお店もあるそうです。

一見厳しいが、おもてなしの心もある国

いかがでしたか。
どんな場面でも出てくるこのイスラムの教えを中心に一日が動き、世界から厳しすぎると指摘を受ける事も多いサウジアラビアですが、おもてなしの文化も大きく、訪問者には快適なステイになるように最前を尽くしてくれます。
陽気な人も多く、おしゃべりが好きです。
あまり情報の入ってこない国ですが、今後サウジアラビアの文化に触れる機会があったら、是非自分の目でこの未知の文化を体験することをおすすめします。
photo by iStock
MANAMI

Writer:

人生の約半分をイギリスで過ごし、いろいろな世界の街角で、異文化の面白さを見てきました。異文化理解とは言葉で簡単に言えるほど容易なものではありませんが、私の異文化体験をお伝えし、そこから少しでもリーダーさんの異文化理解に繋がればと思います。

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