モスクがそのまま博物館になった!イスタンブールの「カーリエ博物館」

カーリエ博物館は、イスタンブールの中心部よりやや離れた木立や緑が多いところに建っています。外観は地味ですが、見どころの多いカーリエ博物館を紹介します。

めずらしいレンガ色のモスク

めずらしいレンガ色のモスク

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カーリエ博物館の外壁のレンガはところどころ傷んでおり、建物はとても素朴です。ビザンティン芸術の宝庫といわれていますが、アヤ・ソフィア博物館と比べるとこじんまりとしています。もともとはビザンティン時代にギリシア正教の聖堂コーラ修道院として建てられましたが、途中からモスクに変わった点では経緯はアヤ・ソフィア博物館と似ています。小規模ですが大小のドームのバランスが美しく、アーチ型の窓が外壁を取り囲んでいます。

カーリエ博物館の住所・アクセスや営業時間など

名称カーリエ博物館
名称(英語)Kariye Museum
住所Derviş Ali Mh., Kariye Cami Sk. No:8, 34087 Fatih/İstanbul
営業時間・開場時間9:00-16:30 / 夏期 9:00-19:00
利用料金や入場料30TL
参考サイトhttp://kariye.muze.gov.tr/en
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

カーリエ博物館のスポットページ

テオドシウスの城壁の近くにある

テオドシウスの城壁の近くにある

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博物館はテオドシウス帝の時代に築かれたテオドシウスの城壁の近く、エディルネ門の真東にあります。コーラとはギリシア語で郊外のことで、つまり田園を意味しています。修道院は4世紀、ここを都と定めたコンスタンチティヌス帝の時代に建設されましたが、その当時コンスタンティノーブルの市街地は、マルマラ海に突き出た部分だけだったので、当時は郊外のさびれた場所でした。しかし、5世紀になってテオドシウス帝が城壁を建設したため市壁の中に入りました。

何度も繰り返し改築された

何度も繰り返し改築された

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6世紀に一度改築されていますが、8世紀から9世紀にかけて起こった聖画像破壊運動で激しく破壊されてしまいました。その後、しばらく放置されていましたが、11世紀になって再建され、現在の建物の基礎ができました。そして14世紀の初めに大規模な改築が行われ、モザイクの壁画で飾られました。このときに修道院のために私財を投じたのが、皇帝アンドロニコス2世に仕えていたテオドール・メトキテスという大臣でした。哲学者でもあった彼は、教会堂の南側に小礼拝堂を増築し、そこをフレスコ画で飾りました。

コンスタンティノーブル陥落の際も無傷だった

コンスタンティノーブル陥落の際も無傷だった

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オスマン帝国のメフメット2世がコンスタンティノーブル入城を果たす際、彼はコーラ修道院の近くにあるエディルネ門(アドリアノーブル門)から突入しました。そのときウルバンが製造した巨大な大砲が城壁を傷つけ、城壁の内側は戦いの犠牲となり瓦礫の山となりました。ですが、コーラ修道院は幸いにも無傷でした。入城するとメフメット2世は、真っすぐ進み、アヤ・ソフィア大聖堂まで進軍しました。そして堂内でイスラムの祈りを捧げ、アヤ・ソフィアをモスクに変えました。


キリスト教の修道院からモスクへ

キリスト教の修道院からモスクへ

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しかし、コーラ修道院はオスマン帝国の支配が始まったあとも、キリスト教徒がそのまま使うことが許されました。コーラ修道院がモスクに変わったのは16世紀初めのベヤズット2世の時代です。名前はカーリエ・ジャミイになりました。カーリエはアラビア語でやはり郊外という意味です。ミフラープがつくられ、ミンバル(説教壇)が設置され、そして宗教壁画は漆喰で塗りつぶされていきました。オスマン帝国時代に起こった大地震の際には漆喰がはがれ落ち、そのときにはがれて失われたモザイクもたくさんあります。

モスクから博物館へ

モスクから博物館へ

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トルコ共和国になってからはモスクとしての機能を終え、1948年に米国のビザンティン研究所の協力によって漆喰がはがされました。現在は後期ビザンティン美術の重要な博物館となっています。カーリエ博物館の壁画はすべて14世紀のもので、テオドール・メトキテスが大改修を行った際に製作されました。キリストの生誕を描いたモザイク画が上壁に、病を治すキリスト画が南側ドームの内側にあります。拝廊が外側と内側の二重構造になっており、外側の拝廊から内側の拝廊に入る扉の上に、祝福を与えるイエスが描かれています。

いたるところに描かれている壁画

いたるところに描かれている壁画

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内拝廊にも多くの作品が残されています。まず、北側の壁には聖母マリアの生涯を描いた一連のモザイク画があります。北壁側には人類の救済を請願しているマリアと、それに聞き入るキリストが描かれています。はがれている部分が多いものの、いずれも貴重な作品です。さらに内拝廊の北側小ドーム内側聖母像が、南側小ドーム内側には預言者やイスラエルの王など24人の人物に取り囲まれた全能のキリストが描かれ、この2つは対になっています。

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