世界で唯一の赤く燃える海がオーストラリアにあった!深海魚の宝庫『バサースト湾』

オーストラリアのタスマニア島に位置するバサースト湾は、目の覚めるような赤い色を湛える世界で唯一の海です。太陽の光さえ遮る赤い水中には、驚くほどの浅瀬に深海魚が生息しています。その驚異の光景と、神秘の生態系をその目で見てみませんか?

バサースト湾(Bathurst Harbour)

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バサースト湾は、オーストラリアのタスマニア島南西部に位置する湾です。サウスウエスト国立公園内に位置するこの湾を有名にしたのは、漣ひとつない穏やかな海の水面が真っ赤に染まる光景です。
赤い海は世界でもここだけという珍しい光景で、どこか禍々しい気さえ覚えるその光景ですが、実は水中に生命の神秘が隠されているのです。
バサースト湾が赤いのは、そこに流れ込む川の水が赤いからです。川の周囲には湿原があり、そこにはタスマニア島内に多く群生しているイネ科のボタングラスという植物が生えています。この植物の茎や葉含まれるタンニンが雨の影響で土壌から川へと流れ出し、水中の酸素と反応して赤い色を現出させているのです。また、湾の入口が狭く、外海につながる部分に島があることで大きな波が湾内にまで入らないことも要因です。

バサースト湾(Bathurst Harbour)

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バサースト湾が注目されている理由は、その特異な光景以外にも、そこに生息する動物にもあります。赤い色は光を吸収するため、バサースト湾の赤い水中では、水深5mが通常の海の水深200~500mに相当する暗さとなります。そして、水深8mで光が届かない安定した環境は、深海魚の生息に最適なのです。深海魚やテヅルモヅルなど深海の動物が多く存在しています。

バサースト湾(Bathurst Harbour)

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深海の動物の他にも、原始的なサンゴも多く発見されており、太古より残された海として知られている。ここでは頻繁に新種の生物が発見されており、生物の進化を知る上でも有効な海として注目されているのです。中には4億年も前からほとんど姿を変えずに生きているサメも生息しており、まさに生命の神秘を感じることのできる幻の海なのです。

バサースト湾(Bathurst Harbour)

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バサースト湾は衛星写真から見ても赤く染まる湾の様子が見て取れますが、実際に潜っても水が赤いのが実感できます。残念ながら個人でのダイビングは難しく、非常に高価(約6000$)なため、潜れる機会はないかもしれませんが、好奇心を掻き立てられる光景が広がっていることは間違いありません。
気軽に参加できるツアーとしては、ボートに乗って水中カメラで深海魚の観察をすることができます。

バサースト湾(Bathurst Harbour)

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バサースト湾を訪れたのであれば、是非世界遺産のタスマニア原生地域も散策しましょう。手つかずの自然を湛えた森は、多種多様な野鳥が生息しており、バードウォッチングの聖地としても知られています。他にもフェデレーションピークなどの切り立った山々や、原生林と山海が織りなす美しい景色、そして原生林のブッシュウォークを楽しむことができます。

バサースト湾(Bathurst Harbour)

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バサースト湾は太古からの生物が生きる、時間の経過から取り残された海です。そこには異空間が広がり、目の覚めるような赤は一目見たら忘れることは出来ないでしょう。
この神秘の異空間を、自分の目で、そして肌で感じてみませんか?世界遺産の原生林の緑、海と空の青、そして、海から切り取られたようなバサースト湾の赤が、絶妙なコントラストを作っています。

バサースト湾(Bathurst Harbour)への行き方

バサースト湾へのアクセスは個人では非常に困難なため、ツアーに参加するのが一般的です。
ツアーの多くはタスマニア州の州都ホバートから飛行機をチャーターして行きます。
日本からホバートへの直行便はないため、日本からシドニーやメルボルンへ飛んでから、国内線でホバートへ移動します。
ホバートからはチャーター飛行機を利用しバサースト湾入口メラルーカへとへ向かい、そこからクルーズで観光する1日ツアーがポピュラーです。またアクティブ派には3日間かけてシーカヤックでバサースト湾を満喫するツアーも行われています。