大自然に抱かれて~魅力溢れるオーストラリアの世界遺産を全部解説!

北半球にある日本とは真逆の季節を過ごす、南半球の豊かな国、オーストラリア。人口およそ2,300万人、面積769平方キロメートル、首都はキャンベラ。広い国土は6つの州と1つの準州、キャンベラがある首都特別地区から構成されている連邦国です。そんなオーストラリアには、2017年8月現在、世界文化遺産が3、自然遺産が12、複合遺産が4つ、登録されています。文化遺産より自然遺産のほうがはるかに数が多いとは、さすが自然大国。どんなスポットが世界遺産に登録されているのか、19カ所を一挙解説してまいります!


◆オーストラリア:海の自然遺産(1)

世界最大のサンゴ礁群「グレート・バリア・リーフ」(自然遺産・1981年)

世界最大のサンゴ礁群「グレート・バリア・リーフ」(自然遺産・1981年)

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”世界一有名な海”と呼んでもよいのではないでしょうか。
オーストラリアの北東部、クイーンズランド州の東側の長さ2,000㎞以上にもなる海岸線。
面積は35万平方メートルにもなり、日本列島がすっぽり入ってしまうほどの広さの海には、400種類ともいわれるサンゴと、1,500種以上もの魚類、そして215種もの鳥類が命を育む楽園があります。

サンゴが生息するには、水温18~30度、浅瀬で透明度が高く、太陽光が十分に届く温暖な海が必要。
グレート・バリア・リーフは温暖で水深の浅い、広大な大陸棚であり、サンゴ礁が育つ条件を満たしています。
世界の海にはたくさんのサンゴ礁がありますが、世界自然遺産に登録されたサンゴ礁はグレート・バリア・リーフが初めてなのです。

ここはダイバーたちの憧れの地。
色とりどりの可愛らしい魚たちがサンゴの中から顔を出す一方で、アオウミガメやマンタなど大型生物たちも姿を現します。
また、グレート・バリア・リーフには600以上もの島があり、島へ渡って海を楽しむ観光客も多いようです。

近年、温暖化の影響などで、グレート・バリア・リーフのサンゴにも危機が迫っています。
海水温の上昇などが原因で、珊瑚の白化現象が増加し、既に半数近くが死亡していると見られているのです。
一度ダメになってしまうと、回復に数十年かかると言われるサンゴ。
これは単にサンゴだけの問題ではないはずです。
後世に素晴らしい海を少しでも多く残すことができるよう、考えなければいけないときが来ているのかもしれません。

奇景・絶景「西オーストラリアのシャーク湾」(自然遺産・1991年)

奇景・絶景「西オーストラリアのシャーク湾」(自然遺産・1991年)

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オーストラリアの面積のおよそ3分の1を占める西オーストラリア州の最西端、ガスコイン地域にあるシャーク湾。
湾といっても千葉県がすっぽり入ってしまうほど広く、反面、水深はおよそ2mと浅いという、非常に特異な地形を持った場所。
ここが世界自然遺産として世界中から注目される理由としては、まず「ストロマトライト」の群生の存在が挙げられるでしょう。

ストロマトライトとは、世界最古の生物とも言われており、その起源は27億年前とも35億年前とも言われています。
一見、黒い岩のようにも、炭の塊のようにも見えますが、地球上で初めて光合成を行い酸素を作ったと考えられている、れっきとした生物。
といっても鳴いたり動いたりするわけではなく、藍藻(バクテリアの一種)が泥や砂に付着して堆積したものなのだそうで、素人目には浅瀬の岩と考えたほうがわかりやすい。
そんなストロマトライトが、湾内の浅瀬の海から無数に顔を出している様子は”奇景”としか言いようがありません。

シャーク湾にはもうひとつ、大変有名な場所が。
湾の中央に突き出たペロン半島には、小さな白い二枚貝の貝殻で埋め尽くされた「シェル・ビーチ」と呼ばれる海岸が110㎞にも渡って広がっています。
このビーチの背後は厳しい乾燥地帯で、わずかな生物しか入ってくることがなかったため、貝殻はつぶされることなくきれいな形のまま残っているのだとか。
黒く不気味な異観と天国のように白く輝く美景。
シャーク湾には長い歳月をかけて創られた両極端とも言える絶景が広がっています。
まずどちらを見たいか、人によって意見が分かれるところかもしれません。

ジンベイザメと泳ぎたい!「ニンガルー・コースト」(自然遺産・2011年)

ジンベイザメと泳ぎたい!「ニンガルー・コースト」(自然遺産・2011年)

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西オーストラリアの北西部に広がる海には、グレート・バリア・リーフにも負けないほどの美しさを持つサンゴ礁が広がっています。
その範囲およそ250㎞。
そのサンゴ礁を中心に広がる60万ヘクタールにも及ぶ海域一帯が世界自然遺産に指定されており、中には「ニンガルー海洋公園」や「ケープレンジ国立公園」が含まれています。

それにしても、オーストラリアの世界遺産とは、なんとゆったり広々としているのでしょう。
スケールが違います。

このニンガルー・コーストでダイビングに興じると、サンゴや熱帯の鮮やかな魚たちはもちろんのこと、ウミガメが近づいてきたり、イルカの団体に囲まれたり、しまいには世界最大の魚類と言われるジンベイザメとのランデブーも可能。
季節によっては、体の大きさではジンベイザメと双璧を成すザトウクジラの姿を拝むこともできるのだそう。
ジンベイザメと違って、さすがにザトウクジラと一緒に泳ぐことは無理でしょうが、運よく出会うことができれば、迫力ある泳ぎを間近で見ることは可能。
他にも、ジュゴンやマンタと遭遇することもあるんだそうです。

大型の海洋生物たちが立ち寄る美しい海、ニンガルー・コースト。
世界遺産に選ばれた貴重な場所で様々なマリンスポーツを楽しむことができます。
運がよければサンゴの産卵に立ち会えるかも。
ただし、ジンベイザメにしてもサンゴにしても、一年中いつも会えるわけではありません。
どうしても見たい場合は、お目当てに合わせてスケジュールを立てる必要がありそうです。

◆オーストラリア:海の自然遺産(2)

オーストラリアの”ガラパゴス”?「ロード・ハウ島群」(自然遺産・1982年)

オーストラリアの”ガラパゴス”?「ロード・ハウ島群」(自然遺産・1982年)

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オーストラリアNo.1の大都市シドニーの北東、およそ700km離れたところに浮かぶロード・ハウ島。
この島の周囲には、数千万年前から続く火山の活動によってできたと思われる数々の島々やサンゴ礁が広がり、島は緑深い亜熱帯の森で覆われています。

ロード・ハウ島は細長い三日月型をした長さ約10km、幅約1.5km、面積約14.6平方メートルの小さな島。
1,000㎞にもなる海底火山の連なりの一部と見られており、地理上、島が形成されて以来どの大陸ともつながったことがないにも関わらず、島には独自の生態系が作りだされています。
生物たちはすべて、海を渡ってやってきた種が祖となっていると考えられており、植物に至っては半分以上が島固有の種にあたるのだそうです。

島の人口はおよそ350人。
周辺の海域のほとんどは海洋公園に指定されていて、自然を守るため、観光客の人数制限が設けられています。
訪れた人は豊かな自然が広がる島でダイビングなどマリンスポーツを楽しみ、ゆったりとした時間を過ごすのだそうです。
島では車の数も制限されているため、訪れた人々のほとんどが自転車を利用して移動。
島の住人も訪問者も、この島の環境への影響を第一に考え、地上の楽園を愛しつつ守ろうと、常に努力を惜しまないのだそうです。

厚い氷河に覆われた絶海の孤島「ハード島とマクドナルド諸島」(1997年)

オーストラリアの自然の豊かさを知る自然遺産はまだまだ続きます。
南半球の温かい国、とばかり思っていたら、白い雪や氷に覆われた場所もあるのです。

西オーストラリア南部の都市パースの南西およそ4100㎞、南極大陸から1700㎞離れた場所に、小さな島がぽつぽつと点在しています。
それがハード島とマクドナルド諸島。
島々は厚い氷河に覆われ、もちろんすべて無人島。
周辺での漁や資源の採集も厳しく禁じられており、島への訪問も基本的にはできません。
まさに絶海の孤島と言うにふさわしい場所です。

非常に厳しい気候と自然環境の中にある島ですが、発見されたのは意外に古く、19世紀中ごろには既に認識されていました。
周辺に生息するアザラシを捕獲するためアメリカ人が住み着いていた時期もあったそうですが、現在は無人に。
オーストラリア政府監視のもと、禁漁区域となっています。
もちろん、観光ツアーなどは一切用意されておらず、残念ながら島に近づくことはできません。

もともと厳しい自然環境であったうえに、人間が介入しなくなったことが影響して、この島々固有の野生動物たちの生態系がずっと守られてきました。
こんなにも厳しい氷河の島々は、他の生物を寄せ付けることなく、イワトビペンギンやアシカ、アザラシ、アホウドリなどの生物たちの楽園となっているのです。

Writer:

歴史と歴史小説と遺跡を愛してやまない東京都在住の主婦。子供のころからの大の時代劇ファン。国内外問わず歴史小説を読むようになり、NHK人形劇「三国志」を見て中国史にはまって大学では東洋史学を専攻。愛猫とじゃれながら歴史小説を読み漁る毎日を送っている。趣味は古地図を眺めることとカメラ片手の街散策。

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