大自然に抱かれて!標高700mの温泉地・箱根「強羅温泉」の歴史と魅力

箱根の歴史的スポット(2)

強羅の歴史と共に歩む「箱根強羅公園」

強羅の歴史と共に歩む「箱根強羅公園」

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1914年(大正3年)、一色七五郎氏によって設計され、日本初のフランス式整型庭園として開園した箱根強羅公園。
箱根登山鉄道が開通するより5年ほど前、荒涼として何もなかった強羅周辺の観光の目玉となるよう造られた公園です。
大正初期の公園として現存する公園は国内でも数が少なく、国の登録記念物に指定されています。
園内には大きな噴水や美しい花壇などが配置されていて、大正時代から現在に至るまで、強羅観光の中心として多くの観光客の目を楽しませてきました。

大きな公園を中心に町並みを配置する技法は19世紀半ばのヨーロッパの町をお手本にしたものだそうで、強羅公園はその先駆け。
開園当初は和風庭園も併設されていたそうですが、現在では箱根美術館の庭園になっています。

現在の強羅公園には、熱帯植物園や工芸が体験できるクラフトハウスなど様々な施設が設けられており、一日遊べるスポットに。
広い園内を歩けば、四季折々の美しい植栽と共に目につくのが”ごうら”の地名を彷彿とさせる巨大な石の数々。
巨岩を探して歩くのも一興です。

園内には、大正初期に茶人・鈍翁により創建された茶室「白雲洞茶苑」があり、見事なまでに苔蒸した巨岩を眺めるように建てられた茶室は、お茶会など催しのない日なら見学可能。
抹茶とお菓子をいただきつつ作法なども教えてもらうことができます。

公園に沿うように走るのは箱根登山ケーブルカー。
公園の東門・西門がそれぞれ公園下駅と公園上駅に近く、その高低差は30mほどで、園内はその傾斜を利用し箱根の山々を借景。
目見麗しい造りとなっています。

旧三菱財閥岩崎家の別荘を改築した「強羅環翠楼」

強羅は明治の後半から大正にかけて、政財界人など著名人・富裕層の別荘地として注目を集めていました。
当時のまま今も残る建物はさすがに少ないですが、大正レトロな建物を見てみたい、と思ったら、是非、強羅環翠楼(ごうらかんすいろう)を訪れてみてください。
全14室、レトロな雰囲気漂う温泉宿です。

強羅の駅から徒歩数分の場所でありながら、1万坪近い自然豊かな趣きある庭園を有し、ゆったりとした静かな時間を過ごすことができる、強羅を代表する老舗旅館。
ここは三菱会社初代社長岩崎弥太郎氏の三男、岩崎康弥氏が1915年(大正4年)に別荘として建てた建築物で、決して華美ではなく、木造2階建ての落ち着いた雰囲気の純日本建築が、何とも言えない贅沢な空間を作り出しています。

部屋はすべて趣きが異なり、個性豊かで歴史を感じさせる造りとなっています。
窓の外には強羅の駅の近くであることを忘れさせるほど深い緑が広がっていて、どの季節でも楽しむことができますが、新緑と紅葉の季節は特にお薦めです。

忙しい日常を忘れさせてくれる、古き良き時代の落ち着きある日本家屋のお宿。
強羅の歴史を感じながら、少し贅沢な時間を過ごすことができるはずです。







旧閑院宮別邸地に建つ高級旅館「強羅花壇」

そんな「強羅環翠楼」のすぐそばにもうひとつ、強羅の歴史を感じさせる名旅館があります。
「強羅花壇」(ごうらかだん)です。

昭和3年、避暑のために箱根を訪れていた閑院宮直仁親王(かんいんのみやなおひとしんのう)が強羅の地を大変気に入ったとのことで、岩崎康弥氏の別荘の敷地を半分譲り受け、2年後の大正5年に別荘を建てました。
戦後、後継の春仁親王が皇籍から離れたため、土地は現在の強羅花壇の創業者が引き継ぐことになったのだそうです。

建物は平成元年に全面改装されているため、昭和初期の雰囲気そのままというわけにはいきませんが、室内は宮家ゆかりであることを感じさせるような、静かで落ち着いた雰囲気の純和風。
庭園は緑豊かで、箱根の山々も望むことができます。
お湯も自慢で、3本の源泉を所有。
うち2本は敷地内から湧き出る自家源泉なのだそうです。
新しい建物らしく、スパなどの施設も備えていてゆったりとくつろげます。

こちらも強羅を代表する高級旅館。
宿泊はちょっと…という場合は日帰りプランもあるので、食事とお湯だけ堪能することも可能です。

人々の熱意と共に発展を遂げた強羅温泉

40万年前に始まったとされる箱根火山の火山活動。
強羅はその中心にあって豊富な湯が湧きながら、険しい山に阻まれて、長い間、人を寄せ付けない荒れ果てた原野でした。
強羅温泉の歴史は、より身近な湯治場にすべく尽力した多くの人々の歩みと共にあります。
鉄道が敷かれ、名所を周遊できるようになり、多くの有名著名人に愛されるリゾート地へと変貌を遂げた強羅温泉。
ゆったりと贅沢な時間を過ごしに出かけてみませんか?
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