旅行前に知りたい豊かな自然に包まれた花巻温泉郷のこと

紐解けば1200年以上の歴史を持つ岩手県の一大温泉地である「花巻温泉郷」は豊かな湯量と上質なお湯、そしてバラエティに富んだお宿とマイナスイオンたっぷりの自然が楽しめる東北の療養地です。
岩手県花巻市の西部、奥羽山脈にあるナメトコ山を源流とした豊沢川の渓谷沿いにある花巻温泉郷は、古くから東北の湯治場として愛されてきた歴史ある温泉は、昔ながらの素朴な温泉から近代的なモダンな温泉まで一度では満足できない温泉の数々と魅力的な歴史やスポットに溢れています。
魅力的な花巻温泉郷について知ってみちのくのロマンに浸ってみませんか。


花巻温泉郷の歴史とバラエティ豊かな温泉

花巻温泉郷の歴史とバラエティ豊かな温泉

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数多くある花巻温泉郷の個性豊かな温泉と源泉によって開湯から約1200年から1990年と新旧様々な場所があり、旅館もレトロな雰囲気の場所からリゾートタイプ、歴史ある湯治場まで一泊じゃあ物足らなくなる事まちがいなし。

魅力あふれるお宿と花巻温泉郷のを開湯の歴史、そして立ち寄ってもらいたいおすすめスポットをご紹介いたします。

豊沢川沿いに並ぶ個性あふれる温泉たち

豊沢川沿いに並ぶ個性あふれる温泉たち

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明治の文豪「宮沢賢治」の童話にもある「ナメトコ山」にある中ノ股沢や西ノ股沢などの清流を源流として岩手県花巻市西部の大地を潤し、その豊かで美しい川は渓流釣りのスポットとしても人気。

渓流に添った約10kmほどの間に12の温泉地が並び、それぞれの温泉の特徴と特色を持っています。

さらに川沿いで長い距離に点在する温泉郷という事もあい、その泉質は温泉によって様々。

その中でも代表的な三つは無色透明でわずかな塩味とかすかに温泉らしい硫化水素臭(いわゆる卵の腐ったような香り)がする『単純硫黄泉(アルカリ性単純泉)』と『硫酸塩泉(含硫黄ナトリウム硫酸塩硫化物泉)』そして『ナトリウム塩化物硫酸塩素泉』ですが、お宿によって微妙に異なっているのでその違いを楽しむのもおすすめです。

1、「坂上田村麻呂」の伝説が残る「台温泉」

花巻空港から車で15分、花巻温泉郷の中でも古い伝承と歴史が残る台温泉は、古き良き温泉街の町並みを残しています。

そんな台温泉は伝説では約1200年前の鬼退治伝説で有名な「坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)」が806年ごろ(大同元年)東北地方の征伐事業で花巻に訪れた際に部下たちを連れて温泉に入ると、旅の疲れがすっかりと癒えと感動し、恩返しとして台温泉の創建不詳の神社を再建しそこに薬師如来像を作り安置し奉った神社こそ、陸中新四国八十八カ所霊場の51番札所『薬師堂温泉神社』で赤い鳥居と大小様々な石碑が目印となっている小さなお社です。

しかし実際の台温泉の歴史は約600年前の1387年(元中4年)、雉を追って山に入った猟師が山間から白い煙が登っているのを発見。
それを役人に報告。
この時発見された温泉が『冨手旅館』の『雉の湯』であり、台温泉発祥の地となりました。

台温泉の語源は伝説では「坂上田村麻呂」が身体が癒えたという意味で「躰癒ゆ(たいゆ)」と言ったことから「たいゆ」から「だいゆ」になったという説と、台温泉の周辺が自然豊かな土地であったことからアイヌ語の森林を示す「ダイ」と呼ばれたという説があり、どちらが正しいかは不明なようです。

そんな台温泉には明治28年に生まれた『台焼き』という東北地方では珍しい陶磁器がお土産として人気。

『糖青磁釉(せいとうじゆう)』という薄緑の色合いと120年続く伝統的な技が光る素朴で美しい焼き物なので、台温泉に訪れた際にはぜひ手に取ってみて下さいね。

2、観音様のお導きで見つけた「志戸平温泉」

志戸平温泉には2種類の泉質がある源泉をかけ流しで堪能できる一軒宿の「湯の杜ホテル志戸平」と小宿「遊泉志だて」があり、前者は家族やペットと楽しめる複合型のリゾートホテル、後者は全室に源泉かけ流しの庭園露天風呂が付いたラグジュアリーな大人のリゾートの二つのお宿があります。

そんな志度平温泉の始まりは806年(大同元年)頃に「坂上田村麻呂」達は連日の戦いや旅で怪我や病気に苦しんでいた時に京都の清水寺で授かった観音像が夢の中で「近くに温泉があるよ」とお告げをくれ、そこで休息を取ったところすっかりと癒されたそうです。

この時発見された温泉は『まどの湯』と言い豊沢川の対岸の洞窟の中にありましたが、現在は下流に作られた灌漑用水の影響で入れなくなっていますが、対岸からこの洞窟を見る事ができますよ。

この『志戸平』という名前もアイヌ語で川の下に広がる平たい場所という意味の『シドタイ』が語源で、古書では『尻戸平』『志戸臺(台の旧字)』という表記も使われ、戦前までは『しだで』と呼ばれてました。

さらに志戸平温泉へ来たのなら立ち寄りたいのが天狗の像が祀られた『天狗の滝』と大正4年に皇族の方が訪れた際にその美しい景色に感動して、天狗の滝の下にある薄い白布を掛けたような流れを『薄衣の滝』と命名したマイナスイオンたっぷりのスポットです。

専用の駐車場がありそこから渓流沿いを15分ほど歩くので少々本格的な山登りスタイルで行く方がおすすめですよ。

3、星めぐりの歌が聞こえそうな「山の神温泉」

花巻市出身の文豪であり天文学に通じていた「宮沢賢治」は名作『銀河鉄道の夜』や『双子の星』など星空にまつわる物語や詩を多く残しており、そんな「宮沢賢治」が愛した星空を心ゆくまで堪能できる施設があるのがこの山の神温泉の一軒宿『優香苑』です。

花巻市内最大級の大露天風呂を始め源泉かけ流しならではの湯の華が咲くレトロモダンな内風呂、花巻温泉郷の中でも珍しい浴びる化粧水とも言われるとろみのあるお湯を使った近代的なウォーターエッジの露天風呂があり、星めぐりの歌そのままの満天の星空をゆったりと堪能できますよ。

山の神温泉は古事記や日本書紀などに登場する山の神であり海やお酒、軍神武神としても知られる「大山祇神命(おおやまづみのみこと)」を祀っている創建不明の『山祇神社(やまづみじんじゃ)』が由来とされ、林業を営む人や水を利用し農業を営む人、鉱山へ入る人などの守り神、地域の氏神として信仰されています。

1949年(昭和2年)に行われた豊沢川ダムの建設により古くからあった神社はダム湖に沈んでしまいましたが、1953年(昭和28年)12月に現在の花巻市松園町の場所に移築遷宮され元々あった場所からは遠く離れてしまいましたが、今なお大切に祀られていますよ。

4、皇族も愛した「花巻温泉」

4、皇族も愛した「花巻温泉」

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花巻温泉郷の中で唯一その名前を冠する「花巻温泉」は比較的近年に発見された岩手県を代表する観光温泉地です。

その歴史は1922年(大正11年)に盛岡電気工業株式会社(後に東北配電株式会社に統合)が『台遊園』という名前の遊園地を作る計画から始まりますが、一年の間に変遷し翌年の1923年(大正12年)に台温泉から引き湯を温泉地と旅館の『花盛館』としてオープン。

その後1927年(昭和2年)に盛岡電気工業から『株式会社花巻温泉』として独立創業し同年に開催された大阪と東京の毎日新聞社が主催し当時の鉄道省が後援を行った人気投票型の企画『日本新八景』の温泉部門で最高当選しその知名度を上げました。

その後に桜や紅葉の名勝地として指定され「東北の宝塚」と言われるほどの人気となりましたが、第二次世界大戦終戦の年にアメリカ進駐軍により花巻温泉の旅館全体が接収され休館。
その2年後に返還されたのちの1953年(昭和28年)に『花巻温泉株式会社』と改名し現在まで続いています。

その後は「昭和天皇」を始めとした皇族の方々や多くの著名人が宿泊するリゾート地として栄え、特に離れにある『佳松園』は現在も皇族の方々宿泊や休憩で利用される格式のあるお宿であり、上質なおもてなしと美肌の湯が楽しめる施設となっています。

お風呂の後は花巻温泉の隣にある『花巻温泉バラ園』の散策がおすすめ。

約450種6000株以上のバラやシーズンの花々が年中咲き誇る約5000坪の庭園を宿泊客なら割引で鑑賞でき、紅葉館から移築した「宮沢賢治」が設計の日時計があって、彼の描いた物語の世界を垣間見る事ができますよ。

5、盛岡藩の人が愛した「大沢温泉」

かつて関ケ原の合戦以降に外様大名として岩手県中部から青森県東部を治めた盛岡藩(南部藩)の人々が定宿として愛用したのが『大沢温泉』には『菊水館』『山水閣』『湯治屋』の三つの施設があり、連絡通路で行き来ができるのが特徴。

この中の菊水館は築160年以上の歴史を刻んだお宿で、かつて関ケ原の合戦以降に外様大名として岩手県中部から青森県東部を治めた盛岡藩(南部藩)の人々がこの温泉を大変気に入り定宿として何度も利用し、その後も「高村光太郎」や「相田みつを」などの著名人も愛用していました。

そんな大沢温泉の歴史は古く約1200年前に志戸平温泉や台温泉の伝説に登場する「坂上田村麻呂」が東征中の蝦夷軍との激しい合戦の際に毒矢を受けて負傷したし、豊沢川の近くで偶然発見したお湯で怪我を治したのが最初と言われています。

さらに大沢温泉の施設の一つである湯治屋は「宮沢賢治」が農学校の教師だった頃に生徒を連れて来た事があり、200年以上の歴史を持つ湯治場(炊事部)として、今も多くの湯治客が利用しています。

この湯治屋はその名前の通り長期の温泉療養を目的とした素泊まりのお宿で、調理器具などが揃っているので自分で料理や洗濯ができますが、地元食材を使ったお食事処で朝昼夜といつでも食事ができるので簡単なお泊りでもおすすめです。

湯治屋は素朴な外観の木造の建物で、自慢の温泉は100%源泉の豊沢川沿いの開放感のある露天風呂『大沢の湯』。
この大沢の湯は通常は混浴ですが女性専用の時間もあるので女性だけの旅でも安心ですよ。

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