「銀の国」アルゼンチン共和国の歴史…インカ帝国の侵入からスペイン植民地時代の到来、その後

wondertripでは世界の絶景を紹介していますが、歴史地区や古代都市などの絶景スポットは、その歴史を少しでも知ることでより観光が楽しめます。今にも残る世界遺産のストーリーは、知識欲も刺激されますね。本日は南アメリカ「アルゼンチン共和国の歴史」をご紹介します。
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アルゼンチン共和国ってどんな国?

アルゼンチン共和国ってどんな国?

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アルゼンチンは、南米大陸にある世界で第8位の面積を擁し、ラテンアメリカでもブラジルに次いで2番目の領土を誇っています。
豊かな表情を見せるアンデス山脈の景観は素晴らしく、山脈から流れ出す雪解け水で育った世界有数のワインを堪能できます。
忘れてはならないのが、世界最大の滝!「イグアスの滝」。
最大落差80mある滝は、轟音が鳴り響き大迫力のスペクタクルが広がります。
また、地平線まで続く大平原のパンパやパタゴニア地方の大氷河では、氷河の上をトレッキングしたり、南極クルーズも就航していたり、北と南では全く違う風景を望める、国土の広大さを肌で感じられる国です。

500年も前にヨーロッパの文化が入り込んできたアルゼンチンの歴史は、他の南米とは少し違いスペインだけでなく、イタリア、ドイツ、フランスなどさまざまな国の支配を受けています。
特に首都のブエノスアイレスは、「南米のパリ」と呼ばれるほど美しい景観が、観光客にも人気です。
情熱的なアルゼンチンタンゴは世界無益文化遺産に登録されています。
特に、毎年8月に行われている世界最大のタンゴの祭典「ムンディアル・デ・タンゴ」も有名です。
今回は、神秘と魅惑に包まれた銀の国アルゼンチンの歴史をご紹介します。

アルゼンチン共和国の始まり

アルゼンチン共和国の始まり

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アルゼンチンの最初の先住民は紀元1100年にアジアからベーリング海峡を渡ってきました。
彼らは広大な土地に散らばり、お互いに競い合いながら共存していました。
農耕を営み土器や衣類などを生産しながら、経済も文化もある程度発展していました。
中には原始的な生活を続けている部族もいました。
彼らは欲を持たずに暮らしていくことができたため平和な社会を形成し、争い事はもちろんなく戦争などの殺し合いもないという、まさにパラダイス状態だったのです。

そんな、他の国のように飛躍的な文明の発達がなかった彼らが、早くから生存した証拠が残る洞窟があります。
これがパタゴニア地方サンタ・クルス州の北部にある世界遺産の「手の洞窟」です。
この洞窟は紀元前7300年から紀元1300年の間に書かれたと言われています。
何千ものカラフルな手形の壁画が残されている洞窟には、人間はもちろんダチョウの足型やネコ科の動物、グアナコなど動物群の絵や幾何学的造形や太陽を表している絵まで、実は文明が発展していたのでは?と思わせる絵が至る所に書き巡らされています。

インカ帝国の侵入からスペイン植民地時代の到来

インカ帝国の侵入からスペイン植民地時代の到来

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15世紀ごろまでとても平和な暮らしをしていたアルゼンチンの先住民たちでしたが、インカ帝国が北西部に侵入し征服しました。
このころのアルゼンチンは約24部族が生息し、人口は全34万人ものインディオが暮らしていたといわれています。
スペインやポルトガルなどヨーロッパ諸国の探検家たちが一斉に南アメリカ大陸各地に到着したのが16世紀の初めごろです。
現在のアルゼンチン周辺地域はスペインに優先権が認められ、ラ・プラタ川がカスティーリャ王国の探検家ファン・ディアス・デ・ソリスによって発見されました。

最初に作られた町は原住民により破壊されましたが、ラ・プラタ川河口の中心部は、1541年に建設された現パラグアイのアスンシオンに移されました。
この後1553年には現存するアルゼンチン最古の都市、サンティアゴ・デル・エステロを建設し、1580年に破壊された最初の都市ブエノスアイレスも再建しました。
この時のスペインの勢力は大きく、大西洋側とペルー側の双方から都市を建設させました。
造られた都市ではヨーロッパのような生活が繰り広げられ、アフリカからは黒人奴隷も送られています。

アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの発展

アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの発展

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1776年にスペイン本土の国王カルロス3世は、現在のアルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ボリビア、チリ、ブラジルの一部までの広大な地域をリオ・デ・ラ・プラタ副王領に昇格させました。
この地の首都には現在のアルゼンチンの首都、ブエノスアイレスが選ばれました。
その後、ヨーロッパを結ぶ中継港との役割を担ったことで、急速に発展し繁栄を遂げています。
これにより、南米大西洋岸の開発に乗り出す形となりましたが、時は既に遅く、新大陸におけるスペインの勢力は衰えていました。

中継港が発展したことは素晴らしいことでしたが、内陸部で行われていた手工業に大打撃を与える結果となっています。
港に来る船はイギリス船がほとんどで、日増しにアルゼンチンはイギリスとの結びつきが強くなりました。
これに怒ったスペインは自国以外との貿易を禁じ、従価税、産業の制限、スペイン人とクリオージョ(現地生まれの白人)との身分差別をしました。
このような政策をするうちにクリオージョはどんどん不満を募らせていく結果となりました。

5月革命とスペインからの独立

5月革命とスペインからの独立

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1807年にブエノスアイレスは侵攻したイギリス軍を民兵が撃退し、1810年にはナポレオン率いるフランス軍がスペイン本国を占領。
この混乱期を絶好の機会と見たアルゼンチンは、1810年5月22日~25日の間にブエノスアイレスに議会を招集し、副王を退位追放しました。
これと同時に自治委員会の設置を決定し、同25日に事実上の独立宣言をしました。
この独立への第一歩がラテンアメリカ諸国を動かし、独立運動への大きな契機となりました。
これが有名な5月革命です。

1816年7月9日には、サン・ミゲール・デ・トククマン市で各地方の代表による国民議会が招集されました。
ここで独立宣言をし、南アメリカ合衆国の名を掲げアルゼンチン共和国は独立国家として歩み始めます。

独立後に忘れられた建国の英雄

独立後に忘れられた建国の英雄

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アルゼンチンには独立戦争で活躍したヒーローがいました。
サン・マルティンです。
彼はスペインのペルー副王を倒すことを旨とし遠征を立案しました。
新政府から全権を任せられ、アンデス山脈を越えてチリに入り独立。
更にペルーも独立に導きますが、統治には失敗してしまいます。
その後帰ったアルゼンチンにはもはや彼の居場所はなくフランスで客死しました。
しかし、彼の功績は1880年にラテンアメリカの英雄として再評価され、今では、アルゼンチンの英雄とされています。

独立後は不安定だったアルゼンチンは、経済における対立による抗争が表面化しました。
また、中央集権主義派と連邦主義派が激しく対立し当初国が安定しなかったのです。
1829年には連邦主義者のフアン・マヌエル・デ・ロサスが大統領に就任します。
彼は20年も独裁政治をした人物でした。
彼が失脚した1853年にはブエノスアイレス州を外した共和国憲法が発布されました。
しかし1862年にはブエノスアイレス州が選出したバルトルメ・ミトレが大統領に就任し連邦共和制となり、やっと国家統合を巡る対立は沈静化しました。

これまで、ラ・プラタというスペイン語を使っていましたがこれも排除され、同じ「銀」という意味を持つラテン語の「アルヘントゥム」に基づきアルゼンチンと改名しました。
この後は憲法の通り4年ごとに大統領が誕生しています。

ブエノスアイレスを正式な首都に忌まわしい暗い時代

ブエノスアイレスを正式な首都に忌まわしい暗い時代

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1880年にはブエノスアイレス市が正式な首都になりました。
ヨーロッパからの移民1200万人を受け入れたのもこの時期で、アルゼンチンは急速に経済発展し国政も安定します。
このころは、日本のバブル経済のような時期で、世界有数の富裕国へと成長しました。
せっかく、ここまでうまくいっていたアルゼンチンですが、1920年に世界恐慌が襲います。
悲しいことに政治も不安定になります。

「忌まわしい暗い時代」と呼ばれるアルゼンチンの闇の時代になりました。
1930~1940年には不正選挙が横行しました。
1946年に転機が訪れます。
軍で頭角を見せるフアン・ドミンゴ・ペロンが大統領に就任。
イギリス鉄道の買収や海外資本企業の国有化などの政策が行われました。
彼もまた独裁体制を強めたため、1955年にクーデターが起こり亡命することとなりました。

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