厳しくも美しい人跡未踏の地!南極点到達までの歴史に迫る

南極は地球上で最も寒く、最も乾燥し、最も風が強いといわれる極寒の地です。19世紀まで人が入ることがなく、今でも様々な謎を秘めている南極ってどんな歴史を持っているのか興味がわきませんか?今回は、南極大陸の歴史に触れてみたいと思います。

南極の始まり

南極の始まり

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小さいころ南極と北極ってどっちが寒いんだろうって疑問を感じたことがあります。
最後の秘境と呼ばれる南極は、『南極物語』や『皇帝ペンギン』という映画も公開され、私たちは遠いようで身近な存在って感じがしませんか?地球上で一番低いマイナス89.2度という気温を観測している南極大陸には、世界30ヶ国以上約70もの南極観測基地があるのです。
未解明の謎がたくさんある南極大陸にはどんな歴史が眠っているのでしょうね。

約40億年前に地球上に陸地ができました。
融合と分裂を繰り返しながら20億年前に大陸を形成したのです。
その後も陸地は成長を続け、6億年前に南極大陸を含む「ゴンドワナ大陸」が出現しました。
3億年前には北アメリカとヨーロッパ大陸が衝突し、超大陸が出現しました。
この頃にはゴンドワナ大陸の半分が既に氷に覆われていたのです。

ゴンドワナ大陸の分裂

ゴンドワナ大陸の分裂

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約1億8000万年前、地質年代は恐竜の時代が訪れていました。
この頃ゴンドワナ大陸が分裂を始め、約2500年前にはほぼ現在の南極大陸が出来上がります。
この頃の南極は、今から想像もできないような地でした。
それは現在の位置より北にあり、熱帯又は温帯の気候だった時期が長く、森林で覆われ多様な生物が生息したのです。

中生代ジュラ紀になると恐竜が生まれ、化石なども発見されました。
6500万年前ころにはオーストラリアとまだ繋がっており、約4000年前にやっと分裂し独立したのです。
南極大陸には氷ができ始めました。
2300万年前にはアメリカ大陸との陸峡が切れてドレーク海峡ができています。
南極大陸は一つの大陸として独立の存在になりました。
この頃から氷ができ始め森林がなくなり、1500年前には大陸一帯が氷で埋め尽くされました。

人類が南極大陸を発見

人類が南極大陸を発見

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南極には人が住んでいた痕跡がなく先住民がいません。
仮設では大陸同士のバランスをとるために、南の果てにはまだ大陸があると考えられていました。
これはプトレマイオスが持っていた考えで、1569年に書かれた世界初の世界地図には、南極大陸が書かれているのです。
発見される前から南北の大陸のバランスを見て、他に大陸があるという仮説を唱えるなんて人類ってやっぱり凄いですね。

15世紀の中ごろから人々は船に乗って、世界を探検するようになります。
1492年にはコロンブス。
1498年にはヴァスコ・ダ・ガマ。
1522年にはマゼランなどが航海をし、大航海時代を形成しています。
しかし、新大陸は発見するものの、まだまだ南極大陸には到達しませんでした。
1606年にスペイン人によってオーストラリアが、1642年にはタスマニア海峡が発見されています。

南極大陸への到達

南極大陸への到達

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クック船長率いるレゾリューション号とアドヴェンチャー号が南極大陸近くまで訪れたのは、1773年1月17日と12月、1774年12月でした。
この時初めて人類が南極圏に達したのです。
しかし、大量の氷山に阻まれて大陸発見は断念せざるを得ませんでした。
この時、「氷山が淡水でできていることから、南極には陸地は存在するだろうが、海岸を探ることは危険で冒険は不可能」と報告されたようです。

南極に人が初めて到達したのは1820年1月で、ロシアの軍人ファビアン・ゴットリープ・フォン・ベリングスハウゼンといわれています。
この時3本の帆柱を持つ軍艦ヴォストーク号と支援艦ミルヌーイ号で、南極一周を果たしたのです。
この時も大陸発見はまだ叶いませんでした。
しかし、ピョートル1世島とアレクサンダー1世島など多数の島を発見し、南極大陸は必ずあると確信しました。

南極大陸の発見

南極大陸の発見

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19世紀になると、クックが作った地図をもとに、多くの人がアザラシやクジラ漁でこの海域に訪れるようになりました。
当時は灯りをともすためクジラの油が使われ、捕鯨は世界的に盛んでした。
この地ではサウス・ジョージア島やサウス・シルエットランド諸島を拠点に、イギリスやフランス、アメリカなどがここで捕鯨を行っていました。
後にノルウェーや日本、ドイツ、戦後にはオランダやソ連もここで捕鯨をしています。

南極大陸を発見したのは、1820~1821年のイギリス王立海軍のエドワード・ブランスフィールドが南極半島の一部を発見したのです。
トリニティー・ランドと名付けられました。

南極大陸を探検する男たち

南極大陸を探検する男たち

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19世紀後半になると科学が進歩とともに、南極への関心が高まり南極探索が行われます。
イギリスのジョン・マレー卿がロンドンの王立地理学会で、「南の地理を知るために、組織的な探検が必要」との考えを示しました。
「人類未達の偉業に挑む」という言葉が伝わると、周辺国家も次第に興味を示し始め、男たちの命がけの冒険が行われます。

1898年ノルウェーの博物学者、カールステン・ボーヒルグルビンク率いるイギリスの探検隊がサザンクロス号で、南極に到達しました。
1899年に2月に南極ロス海岸線のアデア岬に到達。
彼らは探検に初めて犬とソリを持ち込みました。
この時、南緯78度50分まで到達。
サザンクロス号の南極探検成功者は、当時の科学会に大きな衝撃を与えています。

更に拡大する南極大陸の探検

更に拡大する南極大陸の探検

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サザンクロス号が帰国した後は国際地理協会も動き、ドイツ、スウェーデン、イギリスがそれぞれ南極探検を開始。
この時一歩抜きに出ていたのが、イギリスでした。
探検隊のために3つの帆と補助用蒸気エンジンを積んだ木造船「ディスカバリー探検隊」が、1901年8月に南極大陸に向け遠征に出発しました。
この時、隊長となったのはイギリス海軍軍人、ロバート・スコットです。

彼らはマークマード湾に基地を設営し、内陸部の探索を始めました。
アデア岬に上陸し、岩石採掘を行いました。
1902年にロス海の奥地にある入り江に停泊し、調査を続け越冬しています。
同年11月には犬ぞりとともに探検を開始。
彼らは真っ直ぐ南を目指し探検を始めました。
できるなら南極点に、又は新しい大地を発見することを念頭に行われました。
かなり過酷で、犬は病気と飢えで全滅、隊員も一人ビタミンC欠乏による壊血病を発症し歩けなくなっています。
12月30日に南緯82度16分に達したところで引き返しました。

ピーターラビット

Writer:

世界遺産ブームをきっかけに歴史に目覚めてから、国や城、庭園などの成り立ちに魅了された主婦です。何だろう?と思ったことを調べて、皆さんにお伝えすることで気持ちを共有できたら幸せだな~と感じながら仕事をしています。ちょっとマニアックな歴史記事ですが、軽い気持ちで触れてみてくださいね!

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