スロベニアの首都が、二度の戦争を経てもなお歴史的景観を残す奇跡の街だった…「リュブリャーナ城と旧市街」

wondertripでは世界の絶景を紹介していますが、歴史地区や古代都市などの絶景スポットは、その歴史を少しでも知ることでより観光が楽しめます。今にも残る世界遺産のストーリーは、知識欲も刺激されますね。本日は「リュブリャーナ城と旧市街」をご紹介します。


リュブリャーナ城と旧市街ってこんなところ

リュブリャーナ城と旧市街ってこんなところ

リュブリャナ城の住所・アクセスや営業時間など

名称 リュブリャナ城
住所 Grajska planota 1, 1000 Ljubljana
営業時間・開場時間 現地時間10:00-20:00
利用料金や入場料 10ユーロ
参考サイト http://www.ljubljanskigrad.si/sl/ljubljanski-grad/
最新情報は必ずリンク先をご確認ください。

リュブリャナ城のスポットページ

リュブリャーナの歴史は4000年

リュブリャーナの歴史は4000年
スロベニアの首都であるリュブリャーナ一帯には紀元前2000年ごろから人々が住み始めていたといわれています。
街として形が整えられてきたのは古代ローマの時代の紀元前50年前後です。
当時はエモナと呼ばれており、第15アポロン軍団というローマ軍の基地として作られました。

 

その後、500年ほどローマ帝国の地方都市として発展しますが、フン族という異民族の侵入により破壊されてしまいます。
6世紀にエモナにはスロベニア人の祖先にあたるスラブ人が入植し、9世紀にフランク王国の支配下にはいります。

記録に残る以前から、絶えず人が住み続けていることからも、リュブリャーナの地が住みよい場所だったことがうかがい知れます。

「リュブリャーナ」として歴史に登場

「リュブリャーナ」として歴史に登場
「リュブリャーナ城」というスラブ語の名前が初めて文書に出てくるのは1112年の記録と言われています。
当時はドイツ語名のライバッハというのが街の名前でした。

13世紀に入ると有力な王たちの領地争いの的となります。
ボヘミア王オタカル2世に占領された後、オタカル2世との争いに勝利したドイツ王ルドルフ1世がこの地を治めます。
このルドルフ1世から、名門貴族として名高いハプスブルク家の栄光の歴史が始まっていきます。

1461年にはキリスト教の司教座が置かれる都市となり、ハプスブルク家のもとで地方の中核都市として発展していきますが、1511年に地震にあい市街地の大部分が崩壊してしまいます。
再建時にはバロック様式、続いてルネサンス様式で建物が建てられ、周囲を城壁で囲われるようになります。

様々な支配者による街の発展

様々な支配者による街の発展
その後もハプスブルク家のオーストリア帝国の都市として発展していきますが、1809年から1813年の間、街はフランスの皇帝ナポレオンの支配を受けることになります。

ナポレオンはリュブリャーナをイリュリア州の州都として指定し政治的な機能をリュブリャーナに集めたことから、その後の首都としての基礎が固まったといえます。

ナポレオンが戦争に負け追放されると、再びオーストリアの支配を受けます。
リュブリャーナはイリュリア王国の首都として発展していきます。
1849年には帝国の首都ウィーンから鉄道が引かれます。

第一次世界大戦によりオーストリア帝国が滅ぶと、ユーゴスラビア王国に再編され、スロベニア地方の中心都市となります。
このころから徐々に都市名がライバッハからリュブリャーナへと変わっていきます。

2度目の震災と建築様式の移り変わり

2度目の震災と建築様式の移り変わり
1895年、またもリュブリャーナを地震が襲います。
街の約1割程度が被害を受けたといわれています。

再建された建物には建築家プレチェニクのデザインによる直線的な機能美を持つウィーン分離派様式が多く用いられました。
現在の街の中心にあるプレシェーレン広場や竜の橋といった観光名所もこのとき分離派様式で作られたものです。

リュブリャーナ旧市街は震災が多く、そのたびに様々な建築様式で再建されました。
左右対称が特徴のルネサンス様式、装飾が多く豪華な雰囲気のバロック様式、そして上記のウィーン分離派様式がまじりあって独特の景観を生み出しています。

震災とともに移り変わってきた街並みは日本人には感慨深いものがあるのではないでしょうか。

次のページでは『二度の戦争をかいくぐる奇跡』を掲載!
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