世界中に散らばるフェルメールを観に行こう

トマス・ハリスの小説「ハンニバル」の中で、ハンニバルの従者であるバーニーが夢を語る場面があります。「死ぬ前に、世界中に散らばっているフェルメールの絵を残らず見ることでしょうか。」と。中世のオランダ画家フェルメールの作とされる絵画は、全部で37枚。バーニーでなくても制覇できるのでは、と思ってしまいますよね。今回はそんな所蔵されているフェルメールと、その美術館をご紹介します。


ロンドン・ナショナルギャラリー

王室や貴族の所有物ではなく、個人からの寄贈物がメインであるナショナルギャラリーは、収集数は少なくても、見どころのある絵画が多く揃っています。
その中でも来館者の目を惹きつけるのはフェルメール作の2点。
「ヴァージナルの前に立つ女」と「ヴァ-ジナルの前に座る女」はフェルメールの晩年に描かれた対とされている作品です。
光で満たされた部屋に立つ女とほの暗い中に光が差し込む部屋の対比が美しく、光の効果が感じられる作品です。
ナショナルギャラリーで特筆すべきこと、それは入館料が無料であることです。
一市民のコレクションからスタートした美術館は、現在も全ての人が芸術を楽しむための精神を守り続けているのです。

ニューヨーク・メトロポリタン美術館

世界の中心地ニューヨークにはなんと8枚のフェルメールがあり、そのうちの5枚がMETに収蔵されています。
中世のヨーロッパ絵画を集めれらたコーナーで、ひときわ混雑しているのがフェルメール。
それほど広くないブースに4枚が展示されているという贅沢さです。
特に館内のウォーキングガイドにも使われている「水差しを持つ女」の完成度は、フェルメール作品の中で1、2を争うものだと言われています。
フェルメールブルーともよばれるラピスラズリの青を堪能してくださいね。
この絵画、1838年に開催された展示会のカタログではメリー作とされ、更に1887年には同じくオランダ画家ホーホ作とされ800ドルで売りに出されたそうです。
巨大なMETですが、分野や時代でしっかりと分けられて展示されていますので、意外とお目当ての作品も見つかりやすい筈です。

ドレスデン アルテマイスター

ザクセン王国の栄華、芸術の粋を集めたドレスデンのツヴァンガー宮殿の絵画殿、アルテマイスターには2枚のフェルメールが展示されています。
「取り持ち女」は売春婦を斡旋する女衒の姿、「窓辺で手紙を読む女」はその表情や手紙を持つ手の力に、悪い知らせが書かれているのではないかと想像できる作品です。
第二次世界大戦時の空襲で大被害を被った旧東ドイツにあるドレスデンは、全てを失ったところから再建を果たしました。
戦時中に一旦閉館をし収蔵品は疎開をさせましたが、戦後ソ連に持ち去られ、今なお戻ってこない作品もあると言われています。
この街にあるフェルメールは、いずれもただ美しいだけでなく少し物悲しくなる作品です。

ルーブル美術館

意外なことに、フランス全土でフェルメールはたったの2作、このルーブル美術館に収蔵されているのみなのです。
380,000作と膨大な所蔵品のなかで、ひときわ光るフェルメールのうち、人気があるのは「レースを編む女」。
小さな作品が多いフェルメールの中でも24cm×21cmと小さいサイズですが、完成度の高さを評価されている作品です。
大胆に赤い刺繍糸が流れる様と刺繍が施された箇所との対比をチェックしてくださいね。
因みに、ミュージアムショップにはこの絵画のジグソーパズルが販売されています。
出来上がりは、実際の作品より大きくなってしまうのはご愛嬌。

国立西洋美術館

実は、2015年より日本でもフェルメールを見ることができるんです。
「聖プラクセディス」は、古代ローマの聖人を描いたフェルメールににとっては珍しい題材です。
別のイタリア人画家の絵画を模写した初期の作品とされていますが、実のところ、まだフェルメールの真作かどうかについては異論も残されています。
そのため作者名を「フェルメールに帰属」とされています。
しかし、フェルメールにしては余りにも安く、違うとなると余りにも高価なオークション落札価格624万ポンド(10億8600万円)の価値が今後明らかになるかもしれませんね。

さあ、旅に出かけよう!

「ハンニバル」の最終章、バーニーは、フェルメールを見る旅に南米へ旅立ちます。
そのため、南米にもフェルメールがあるとの勘違いが世界各地で聞かれます。
非常に希少で、本物なのかどうかが、今なお検証され続けているフェルメールを目的にする旅もロマンチックですね。
日本でも人気のあるフェルメールは、展覧会が開催されると長蛇の列となり、ゆっくり見ることはできません。
海外で常設展示されているものをゆっくり見ることをおススメします。

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